醤油手帖

お醤油について書いていきます。 料理漫画に関してはhttp://mumu.hatenablog.comへ。お仕事の依頼とかはkei.sugimuraあっとgmail.comまでお願いします

2021年4月10日放送『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』の誤解をまねきそうな点について

2021年4月10日放送のテレビ番組、『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK)は、「日本が誇る調味料!しょうゆのお金の秘密」という醤油の特集でした。

www.nhk.jp

番組内で、間違いではないんだけれども誤解をまねきそうだなーという表現があったのでちょっと整理しておきます。なお、NHKの放送ですから以下のメーカー名等は明記されていません。見る人が見ればわかるという形になっています。

問題となるのは「醤油の歴史に残ると言っても過言ではない、生醤油の発明」のお話です。ここで生醤油をヒットさせたメーカーとしてキッコーマンの方がカネオくんのインタビューに答えています。

「生醤油」とは醤油造りの工程のうち、「火入れ」という加熱殺菌をし、色や味を最終的に調える工程を省いたものと紹介されました。加熱殺菌をしないでも、フィルターを使って微生物を漉すので大丈夫だとしっかりと言われています。ここまでも少し微妙ではありますが、もうちょっと微妙レベルが上の発言が次に出てきます。

この「生醤油」実現の決め手になったのが「空気に触れないボトル」なんですという発言。ここがちょーーーっとだけ、醤油全体のファンとしては悩ましい紹介の仕方をしていたのです。

もう少し詳しく掘り下げていきましょう。

番組中ではこのように紹介されていました。お金の話の番組なので。

「登場から6年、2016年にはこのボトルを使った醤油シリーズの年間売上は100億円以上に」

ここに、少しだけ嘘というか、真実ではない部分があるのです。

ややこしい話になるので順を追って説明していきましょう。なお、これは重箱の隅をつつきまくる行為であり、わかりやすさを重視するためにテレビの限られた時間での表現であるということは重々承知の上での行為です。

●空気に触れない容器はキッコーマンの発明ではない

醤油における「空気に触れない容器」を最初に市販化したのはキッコーマンさんではありません。ヤマサ醤油さんの「鮮度の一滴」シリーズこそが一番最初なのです。あのシャンプーの詰め替えボトルのような、パウチタイプで空気に触れない容器に包まれた醤油を見たことがある人も多いでしょう。2009年8月より首都圏を中心に販売を開始し、2010年2月より全国に販売を拡大しています。

これがプレスリリースです。大手さんはプレスリリースがしっかりと残っているのがいいですね。

www.yamasa.com

 

ではキッコーマンさんはどうしたのか。
同じく空気に触れない容器の醤油を2010年に販売します。

これがプレスリリースです。

www.kikkoman.co.jp

ここでプレスリリースに載っている画像をよく見てください。ちょっと拝借してぺたりと貼ります(自前の写真がどこかにあったはずだなと思ったんですが、見つからなかった……)

f:id:shouyutechou:20210410213754j:plain

そうなんです。最初はキッコーマンさんもパウチタイプで空気に触れない「しぼりたて生」シリーズを出していたのですね。

鮮度の一滴は、醤油の注ぎ口を薄いフィルムが重なる構造にしていました。そこに毛細管現象という、細いところに液体が入り込む現象を利用して、醤油そのもので空気が中に侵入するのを防ぐ仕組みです。容器を傾けて醤油が口にたどりつくと、液体の重みで口が少し開いて醤油が注がれるという構造でした。

一方のしぼりたて生は、それだと倒れたときに醤油がこぼれてしまうということからか、蓋がある方が万が一のときに安心だろうと蓋をつけているのが特徴です。

これはパクリとかではなく、当時キッコーマンさんに話を伺ったところ、うちも空気に触れない容器については研究開発をずっと進めていた。たまたま先を越されてしまってとても悔しい、と言っていたのを覚えています。

●いまの二重構造ボトルは2011年に販売されている

というわけで、2009年から2010年の間は基本的にはパウチタイプの空気に触れない容器で醤油は販売されていました。この時点で鮮度の一滴は大ヒット。販売から半年で100万本を超える売上をたたき出しています。

ただ、パウチタイプにも欠点はありました。それは、使っているとだんだんパウチがほっそりとしてきて、倒れやすくなってしまうのです。そこを解消するために鮮度の一滴では下につける土台プレゼントをしたり、最初から厚紙で覆って倒れないようにしたものを出したりしました。

しぼりたて生の方はそういうプレゼントは当時行っていなかったと記憶しています。蓋もあるおかげで倒れても安心だけどもやや倒れやすかったのも原因か、蓋を外してつけるという行為が少し面倒だったのか、鮮度の一滴人気を覆すほどには至りませんでした。

「しぼりたて生」のパウチタイプはほどなくして終売。その後に登場したのが、現在でも売れに売れ続けている二重構造ボトルを採用した「しぼりたて生」シリーズなのです。

プレスリリースはこちら。

www.kikkoman.co.jp

これを見ると、2011年8月発売とありますね。

いつでも新鮮卓上ボトルという名前で200ml版は売り出されていたのですね。
これがもう本当に売れに売れて。歴史に名を残す大ヒットになったというわけです。

●なにが問題だったのか

ここでもう一度テレビで紹介されたときの文言を見てみましょう。

「登場から6年、2016年にはこのボトルを使った醤油シリーズの年間売上は100億円以上に」

登場から6年で2016年というと、登場は2010年を指すことになります。6年目だったら2011年の可能性もありますが、通常は2010年を連想するでしょう。

2010年には「しぼりたて生」シリーズは販売されていますが、ボトルは販売されていません。したがって「登場」が2010年を指している以上、ここは間違いと言えます。

そして、空気に触れない容器はヤマサ醤油さんの方が先に販売を開始していてしかもヒットしているということもポイントのひとつです。ただ、それを上回る超絶大ヒットをしたのがキッコーマンさんの商品だったんだよ、ということですね。

  • 生醤油はボトルではなくパウチで実現している
  • 最初のヒットはヤマサ醤油。もっと超絶ヒットさせたのがキッコーマン
  • ボトルタイプは2011年からの販売である

というところを、醤油に興味のある方は覚えておいていただけたらと。

もう一度繰り返しますが、テレビの限られた時間の中でわかりやすく表現するために、キッコーマンさんに絞って話を伺うのは間違いとは思っていません。あの場はあれでいいと思っています。

ただ、キッコーマンさんだけでなくヤマサ醤油さんのファンでもあったのと、きちんとした歴史といいますか、このままだと空気に触れない容器を発明したのはキッコーマンだったという誤解を招く可能性があるため、正確なところはどこかに残しておかないといけないなーと思ったのでした。

2021/4/12 11:30追記

思った以上に読んでいただけてびっくりしています。例によってコメントに対してのお返事等をしていけたらと。手動でやっているので確認漏れがあったら申し訳ありません。

 

●6年はあっているよ問題

いや、これはちょっと違うと思う。数え年と満年齢の混在は今でもあると思うので“登場から6年で2016年というと、登場は2010年を指すことになります。6年目だったら2011年の可能性もありますが、通常は2010年を連想するでし (id:kjin

2011〜2016年なら2016年は6年目で合っている。2016年が終わった時点でその年の年間売上が100億円以上といっているわけだから。それに特に傷みやすい<生しょうゆ>を一般販売することについての話だからヤマサ関係ある? (id:qouroquis

番組からはボトルネック以前にも生醤油は売っていたけど、一般向けにはヒットしておらずボトルの登場で売り上げが増えたという印象を受けました。「登場から6年、2016年には」なら、2011年を意味すると思います。 (id:lastline

キッコウマンのパウチの「生」しょうゆの発売日が2011/2。ボトルタイプの「生」しょうゆは2011/8。前者は2021/4月段階で6年目だから嘘ではない。だからこそ火入れをしてない「生」であることをよりアピールしていた。 (id:kenchan3

“登場から6年”なら間違ってないと思うんだが。 (id:prdxa


あ、あれ?
ちょっと勘違いをしておりました。

たとえば2021年4月に発売されたものは、2021年7月で「登場して3ヶ月」、2021年11月に入ると「登場して半年」と言うじゃないですか。ここで勝手に「登場して半年(が経ちました)」と()内を勝手に補って考えていました。2022年4月で「登場して1年」となるのではないかと。したがって、2011年8月に発売されたものは、2017年8月で「登場して6年」と思い込んでいたのです。

でも実際は年度の売上の話になるので、2011年の分の売上が「登場して1年の売上」、2011〜12年の売上が「登場して2年の売上」、2011〜16年の売上が「登場して6年の売上」となるのですね。なるほど。

これは完全に勘違いでした。謹んで訂正してお詫びいたします。

●容器の話をもう少し

特許調べてないが空気に触れない容器を発明したのは醤油メーカーではなく容器メーカーではないのだろうか?という疑問。醤油メーカーならば当然特許を取っているはずで他社の参入は難しくなる。 (id:fhvbwx

空気に触れないボトル(内袋が成形されている)の原型は21世紀初頭に吉野製作所が開発した中身を使い切れるコンディショナーボトル(P&Gヴィダルサスーン)と推測。まさか生醤油で復活するとは思わなかった。 (id:graynora

特許関係の話はここがわかりやすかった。 https://www.foodwatch.jp/secondary_inds/soybeanclmn/37008/ (id:atohiro

ヤマサとキッコーマンはそれぞれ独自特許。ヒゲタはキッコーマンの特許を使っている。他社は特許を使う障壁があるという。 https://bit.ly/3t8a4cP   えごま油は、同様のボトルが多い。少なくとも2社が使っている。 (id:blueboy

初代のヤマサは新潟県三条市の悠心の開発、キッコーマンは独自特許で追随し、更にその後、吉野工業所とやわらか密封ボトルを開発した、と。 https://is.gd/Jugh0U (id:ank0u

たしか容器メーカー「悠心」の社長が当時の醤油に不満があって開発したとかって当時のインタビューかなんかテレビで見たような?んで好みの醤油はヤマサだったからそこに営業かけたとかなんとか(うろ覚え) (id:colorless4

 

はい、皆様のおっしゃるとおり、ヤマサさんの鮮度の一滴が「悠心」さん開発のもので、キッコーマンさんの鮮度ボトルが「吉野工業所」さん開発のものです。ヴィダルサスーンの件は知りませんでした。

元々の経緯は、当時大成ラミックにおられた二瀬さんが2005年に「ラミネート袋と紙箱を組合わせた液体包装容器を用いた醤油の実用評価」という論文を発表。それを読んだヤマサさんが是非うちの醤油でやりたいと。

その後二瀬さんは(株)悠心を作り独立、ヤマサさんと鮮度の一滴を作り上げていくという流れのようです。詳しくはこちらの「鮮度の一滴開発秘話」を読んでもらえればと思います。

ameblo.jp

ameblo.jp

一方のキッコーマンさんは吉野工業所さんと二重構造のやわらか密封ボトルを共同開発します。二社の関わりはかなり古くからあり、1977年に国内で初めてPET容器の醤油が販売されますが、その容器を手がけたのが吉野工業所さんだったりします。

マーケティング的にはデラミボトルの出現で、特売1L158円から脱却できたこと、飲食店で継ぎ足しが無くなったことだと思う。/ 醤油業界は容器の改革多いんだよな、最初のPETボトルは醤油だし。逆止弁料理酒も手放せない (id:y-wood

y-woodさんが言われている最初のPETボトルというところですね。これも吉野工業所&キッコーマンの共同開発でした。

飲食店の注ぎ足しがなくなったのはよく聞きます。やわらか密封ボトルだと、落としても割れない(ので掃除等の手間が減る)というのもポイントでしょうか。本当に飲食店の卓上の景色を一変させてしまいましたよね。

ヒゲタ醤油さんはキッコーマンさんとは業務提携をしているので、このボトルをそのまま使っているのも納得ですね。「本膳生」とかよくぞ出してくれた! という感じです。

 

 

それ以外の他社が使っているかどうかですと、最近では結構使っていたりもします。手元にあってすぐに出てきたのはイチビキさんの「生 さしみ溜」とかでしょうか。

 

 

どこで吉野工業所製とわかるかというと、ボトルの底を見てみるとわかります。この「Y」に「・・」があしらわれているロゴが吉野工業所さんのマークなのです。

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こういうボトルは全部吉野工業所製では。他にもあるの? と思う方もいるかもしれません。たとえば「ちば醤油」さんの「下総醤油」は違うメーカー製だったりします。

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並べてみるとロゴが違いますよね。
ちょっとこちらはどこの会社かわかっていないです。すみません。

www.chibashoyu.com

 

●酸化の話

あの番組もこの記事も、空気に触れさせないことが醤油にとって如何にだいじか、という肝心の点を語らないのは何故なんだ。 (id:nobiox

いやー、番組内でも空気に触れないのは重要という話はされていたと思います。その部分に関しては何も異論がないのでこちらの記事でも触れていないだけでした。論点がずれちゃう危険性がありますし。あと、話し出したら止まらなくなる危険性が!

というわけで酸化の話に戻すと、醤油は空気、特に酸素に触れると酸化します。褐変(色が黒くなる)し、独特の芳香を放つのです。

醤油の変化は実は酸化だけではありません。紫外線などにも弱いし、温度が上がっても変化します。これは、醤油の中のアミノ酸と糖分が反応して生成される「メラノイジン」という物質が関係しています。

メラノイジンが褐色物質で、独特の芳香を持っています。このメラノイジンが増えれば増えるほど、液体の色は黒くなっていきます。実は醤油の黒色はこのメラノイジンにも関係していたのですね。

なので温度が高いところとか、酸化が進むようなところに放置しておくとメラノイジンが増え、醤油がどんどん黒くなり、香りも変化していくのです。だから醤油は「冷暗所」に保管しましょうと書いてあるわけです。今だったら冷蔵庫が一番良いというのもそういう理由です。

で、酸素は意外といろんなものを通り抜けます。普通のペットボトルだと酸素透過性があるので、醤油を保管していると実は徐々に酸化していったりもするのです。一連の空気に触れない容器はこの欠点を内袋で克服しているのですね。

ちなみにペットボトル容器も進化していて、酸素を通さないものを開発したりしています。有名なのはキリンさんのDLC(Diamond-Like Carbon)でしょうか。中にコーティングをして酸素を通さないようにしています。

www.kirin.co.jp

 

●きじょうゆとなましょうゆと

関係ないが「きじょうゆ」と「なましょうゆ」って同じなのか違うのかは気になった (id:norinorisan42

ここ、実は相当難しいというかややこしい話があります。
醤油の「生」には3種類があるのです。

1.生揚醤油(きあげしょうゆ)

醤油は大豆や小麦を発酵させて造ります。もちろん発酵しているどろどろとした「もろみ」では料理に使いにくいので「しぼり」をし、液体の醤油だけを取り出します。

このしぼったままの醤油が「生揚醤油」もしくは「生揚げ」と呼ばれるものです。

お酒の蔵見学にいったときに、しぼったそのままを味わわせてもらえることがあるのですが、その醤油版と考えるとわかりやすいでしょうか。風味豊かでおいしそうと感じますよね。実際、おいしいです。

ただこの「生揚醤油」には問題があります。

一般に流通している醤油はここから「濾過」をして不純物を取り除き、「火入れ」で加熱殺菌をして品質を安定させます。ところが生揚げはこれをしていないのです。

だからこそ風味が豊かといえなくもないのですが、問題は菌が生きていて発酵を続けていることにあります。仮に店頭に「生揚醤油」を並べていたら、中でどんどん発酵が続いて品質が変わってしまう可能性があるのです。

そのため、JAS法では生揚醤油は正確には醤油と認められていません。なのでラベルの名称のところを見ると「生揚げ」とか書かれていることが多いです(醤油とは書かれていないことが多い)。

さらに冷蔵保存が必要で、賞味期限が一ヶ月ほどです。と、まあいろいろと難しいのですが、それでも風味豊かで味わい深い醤油なのは間違いありません。

試してみたい方は、関東ですと職人醤油さんの松屋銀座店に行くのが確実かと思います。番組では職人醤油の高橋万太郎さんが解説されていましたね。

www.s-shoyu.com

(関西在住なのでここ1年伺えていないのですが)前と変わっていなければ、埼玉県の弓削多醤油さんの濃口醤油の生揚醤油と、香川県ヤマロク醤油さんのさいしこみ醤油の生揚醤油を購入できるかと思います。

2.生醤油(きじょうゆ)

そして、きじょうゆです。これが一番ややこしい。
これは厳密には醤油の名称ではありません。料理業界用語です。

料理をするときには、出汁やみりんで味を調えた醤油を使った方がいいときもあれば、何も加えていない醤油を使った方がいいときもあります。でもどちらも同じ「醤油」と呼んでいたら現場が混乱してしまいますよね。

そこで、何も加えていない、そのままの醤油を「きじょうゆ」と呼ぶようになりました。これが「きじょうゆ」の正体です。

したがって、火入れをしていたり、濾過をしていたり、そのときに使っている製品によってまちまちになります。「きじょうゆ」と言ったからといって、生(なま)な醤油じゃないというわけです。

3.生醤油(なましょうゆ)

そして番組でも話題になった「なましょうゆ」です。
これは製造工程の最後の部分の「火入れ」を行っていない、加熱殺菌をしていない醤油ということになります。

菌はどうするのかというと、マイクロフィルターなどで濾過をして取り除きます。なので、内部で発酵が進んでしまう心配はありません。

火入れによる加熱は非常に難しく、それがあるからこそ生み出された風味もあります。でも、失われてしまう風味もまたあります。簡単にいうと、前述のメラノイジンは加熱するとたくさん生成されるので、加熱殺菌のために温度が上がるとどうしても醤油の色が黒くなるし香りも変化するというわけですね。

それをしていない醤油が「なましょうゆ」なわけです。加熱をしていないので、加熱によって変化する前の醤油の風味を味わえます。これが「しぼりたて生」シリーズの「生」ですね。

加熱殺菌をしていないので「生」というのは、日本酒などとも同じだったりします。

ちなみになんですが、市販されている「生醤油(なましょうゆ)」は、「生醤油(きじょうゆ)」と区別をするために、必ずラベルの「生」に「なま」とふりがなが振ってあります。お手元の生醤油を確認してみるといいかもしれません。

 

2020/11/2(月)18:40からの『角田信朗のおっさんぽ』に出演します(3週連続?)

実は先日収録してきました。久々のテレビ出演です。

格闘家の角田信朗さんの番組である、『角田信朗のおっさんぽ』に出演します。テーマは醤油です。

tvguide.myjcom.jp

このリンク、番組放送が終わったら消えてしまう気がする……

一応、さっきケーブルテレビの番組表で見たやつもぺたりと。

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はい。

10分番組です。一応2週の予定で収録をしたんですが、めちゃめちゃしゃべったので3週分になるかもと言われております。

角田信朗さん、テレビで見たままのというか、テレビで見た以上に面白い方でした。もう話が止まらない止まらない。お互いに脱線するもんですから(一応、醤油の話に全部結びつけましたよ!)、お話が盛り上がる盛り上がる。

というわけで、実はいまだに何週出るのか把握できていないのですが、少なくとも来週はまた出演しているはずです。

関西のJ:COMでの放送なので、ほかの地域の方は見られないかもしれませんが、見られる方はぜひ見てください!

10/31(土)にキウイゲームズでアナログゲームのイベントをやります

告知が遅れてしまっている間に定員が埋まってしまったのですが、数名空きが出たようなので告知します。

とはいってもタイトル通りではあるのですが、10/31(土)に大阪は恵美須町にある『キウイゲームズ』さんでアナログゲームのイベントを行います。あ、もちろん感染予防対策はできるかぎり行って安全に遊べるように注意していますよ(後述)

kiwigames.jp

漫画家の磨伸映一郎先生と不定期に行っているイベントで、テーマによっては我々のトークコーナーがあったりするのですが、今回はもうちょっとこじんまりと、お店の一角をお借りしてアナログゲーム会をやりましょうという感じです。

今回のテーマは「奇ゲー」です!

コンセプトが奇妙だったり、コンポーネントが奇妙だったり、ルールが奇妙だったり、そもそもどうしてそれをテーマにしようと思ったのかな、みたいなゲームをそろえてみました。

ゲストはお二人も来てくださいます。まずは小説家の丸山英人先生!

丸山先生は、いったいどこからこういうゲームを見つけてくるの?! という「奇ゲー」をいつも持ってきてくださる、もはや奇ゲーコレクターと言っても差し支えないほどたくさんお持ちの方なのです。

先日遊んだ「Esperaization」なんかも丸山先生が持ってきてくれました。これはテーマが「言語」で、新しい言語をみんなで作ってしまいましょうというゲームです。奇妙なコンセプトに分類されるかな?

あまりにも奇ゲーをお持ちなのと審美眼が高すぎるせいか、並のものでは奇ゲーとは思っていない節があるので、もう手当たり次第持ってきちゃってくださいとお願いしてあります。

そしてもう一人は、グループSNEから友野詳先生がいらっしゃいます!

なんと、11月13日発売予定の『即身仏になろう!』を持ってきてくれます。話題作をいち早く遊べるチャンス!

なお、当日は我々の著作物の物販コーナーも用意していたりします。いつもの醤油手帖シリーズとか持って行くのですが、せっかくなんでコピー誌を作りたいと思い、ガガッと一冊作ってみました。

はい、キウイゲームズさん周辺の観光ガイド本です。

日本橋のあれやこれやに行けばいいとかそういうのではなく、割と普通の名所とか、ご飯がおいしいところとか、そういうのをちりばめてみました。

コピー誌で24ページなのでセブンイレブンの小冊子印刷でやって……まあ、たぶん200円ぐらいで頒布します。足りなくなったらすぐ近所のセブンで印刷して増刷も可能! 受注生産!

 

そして、ご時世的に大事なことなのですが、感染予防のため以下のことを遵守、もしくはあらかじめご了承いただく必要があります。

  • マスクは必ずご着用ください。プレイ中も基本的には外さないようにお願いします
  • 入口で手指消毒にご協力お願いいたします
  • 熱がある方、咳き込んでいる方は入場をお断りさせていただきます
  • 三密を避けるためと換気のため、窓を開けることが多くなります。寒くなるかもしれませんので厚着の用意をお願いします
  • 飲み物は飲めますが、会場内での食事はできません

私も携帯用のスプレーボトルに消毒に使える濃度のアルコールをたくさん持って行く予定です。プレイ前に軽く消毒するという感じで、こまめに消毒で対応していきたいものです。

予約はこちら……って、ここまで書いている間に増員された枠が埋まっている!

twipla.jp

あああ、ありがとうございます。

そしてキャンセル待ちを含む当日参加枠については現在調整中とのことで、キウイゲームズさんのTwitterに御注目いただければと

それでは当日お目にかかれるのを楽しみにしております!

続・はま寿司の醤油を攻略する(関東濃口醤油含む)

このエントリは前回の「はま寿司の醤油を攻略する(関西編)」の続編というか、いただいたコメントとかのお返事も含んだものになります。というわけで、まだ未読の方はこちらを読んでいただけたらと。 

shouyutechou.hatenablog.com

ちょっと時間が経ってしまったのと、相変わらず量が膨らんでしまったので別エントリにしたのでした。なお、ありがたいことにたくさんコメント等をいただいていて全部目を通したのですが、ここで拾い漏れがありましたら申し訳ありません。

 

●関東濃口醤油について

関東のお友達がはま寿司に行って、関東濃口醤油の写真を撮ってきてくれました!

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はい、濃口醤油ですね。

脱脂加工大豆、小麦、食塩のみで造られていて、甘味のあるものは加わっていません。アルコールは防腐効果のためのものだったりしますので、味に大きく影響があるわけではありません。

いわゆる多くの方が口にする方が多い(シェア80%超)という意味では「普通の醤油」と言われる醤油です。糖分に関するものが一切添加されていないので、お寿司の醤油に甘さを求めていない人はこれが一番かもしれません。

別に全国に置いても良いとは思うのですが、関東限定にしているのは何かあるのでしょうか……消費量の数字とかはきっちりとチェックしていると思うので、思ったよりもほかの地方では濃口醤油が減らないのかもしれません。

 

●前回の記事についての補足とか

前回はま寿司についてコメントした者です。さっそくありがとうございます。私も今度試してみますね (id:mochitabesugi

こちらこそ、コメントがきっかけで久々にはま寿司(うちからは電車を使わないと行けないのでついつい別のところに行ってしまうのです)に行きました。ありがとうございます!

推奨って店側のなのか本サイトのなのかどっちなんだろう。ひかりものにはポン酢という固定観念があってアジにはずっとポン酢だった (id:tekitou-manga

記事がわかりにくくてすみません。
前回のエントリで最初に貼った公式のリンクに、醤油のラインナップおよびオススメが書いてあります。なので、エントリ内でも

「●はま寿司特製だし醤油(公式推奨ネタ:すべてのネタ)」

のように見出しにそれが書いてあったのでした。本文の中が食べた感想等です。ちょっと力尽きて途中から「推奨:〜〜」としちゃったのがわかりにくくなった要因ですね。申し訳ありません。

あと、ひかりものにポン酢もいいですよね〜

いつも適当に選んでたので、次回は参考にしながらちゃんと選んでみよう/寿司屋の父からマグロにタレ(穴子とかに付けるやつ)を教えてもらって以来お気に入りなので共有したい (id:p-2yan

これはちょっと良い情報をいただきました! ありがとうございます!

ちなみに、タレの袋の写真も撮っております。

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ちょっと反射して見にくいのですが、原材料は「糖類(砂糖(国内製造)、水あめ、果糖ぶどう糖液糖)、しょうゆ(小麦・大豆を含む)、食塩、カラメル色素、増粘剤(加工デンプン)、調味料(アミノ酸等)」となっています。

当たり前といえば当たり前ですが、何年にもわたって穴子を入れて注ぎ足して……みたいな作り方ではありません。

たしかにマグロに甘い煮詰めは面白そうですね。これはやってみます。

 

●関西風の刺身醤油では? 問題

関西甘口は関西風の醤油と読めば違和感あるが、関西風の刺身醤油と読めば違和感ないのでは?刺身醤油は九州風のに名付けたので関西風には紛らわしいから付けなかったと。関西は用途により醤油を使い分ける文化。 (id:blackdragon

これは非常に難しい問題です。

というのも、関西においての「刺身醤油」とは何なのかから順番に考えなければならないからです。

刺身醤油に関しては、いろいろと難しいのですが、関東の濃口醤油系と、九州中心の甘い系があるということは前のエントリでお話をしました(もう一度リンク) 

shouyutechou.hatenablog.com

では、その中間地点にあたる中部地方はどうなのか。実は「たまり醤油」の文化なのです。大豆(発酵すると旨みになる)が多く、旨みがとても強い醤油を「刺身たまり」として使うのですね。

そして関西の、大阪にはそのあたりが全部入ってきていました。甘い醬油も? と思われるかもしれませんが、江戸時台の大阪は「天下の台所」です。全国の砂糖もいったん大阪に集められた後に出荷されていきました。それが「アメちゃん」文化の原型となった説もあるほどです。

www.nikkei.com

でも、甘い醬油は流行りませんでした。大阪で食べられるお魚には、濃口醤油系が合うとなったようです。おそらく小豆島や和歌山から濃口醤油が入っていたというのも大きいでしょう。関東の濃口醤油(の原型)はもともと和歌山から伝播したものだったりします。

というわけで大阪は基本的には濃口醤油でお刺身を食べていたようです。

余談ですが、四国は東半分が大阪に影響を受けて塩辛い醬油、西半分が九州に影響を受けて甘めの醬油でお刺身を食べる文化があります。

そして関西はもうひとつ大きな文化の中心地として「京都」があります。ちょっとだけ乱暴に言ってしまうと、内陸型の都市である京都ではなかなか新鮮な魚が手に入らず、鯖街道を伝って運ばれる鯖か、生命力が強くて長時間の輸送に耐えうる鱧か、ぐらいだったりします。そういった環境では刺身醤油はと言ってもなかなか発達しません。鯖の「きずし」はショウガ醤油やポン酢で食べたりします。あとは愛知から入ってきたたまり醤油とかでしょうか。

というわけで京都での刺身醤油というと、なかなか「これ!」というものが見当たらなかったりします。甘い醬油を使うところも中にはあったとは思いますが、調べた範囲では濃口醤油の方が多いようです。新鮮な魚がないので、甘い醤油にしなくても熟成による旨みがあったからでしょう。

というわけで、主要都市の大阪と京都で考えてみても結構細かい食文化の差があったりします。なかなか一言で「関西の醤油」とは言えません。そして、現状では調べた大半のところは濃口醤油がベースになっているのです。

関西の刺身醤油が甘口寄りである、ということに違和感があるというのは、こういった理由からでした。

普通の醤油は何れですか?(基準値不明) 甘口って九州としこくの一部かと思ってた。 西側の方はソースも種類多いし、たれにこだわる傾向なのかな? (id:h1romi

というわけで九州だけでなく四国の一部(主に西側)が甘い醬油なのは、上記の通りです。九州の影響を受けているのですね。

関西の、特に大阪は調味料にはこだわる人が多いです。ソースは種類が豊富なだけでなく、自分でそれをブレンドしたりもします。さらにポン酢も多く、大阪は日本で一番ポン酢会社が多い都道府県でもあります。売られている数も多く、自分の足で調べた範囲では改装前の阪神デパートで56〜7ポン酢ほど棚にならんでいました。

以前に見たテレビ番組で大阪の人にインタビューをしていたときの台詞がとても印象的です。

「牛肉も豚肉も鶏肉も味が違う。ならば、それぞれ違うポン酢を合わせて当然でしょう」

それぐらいこだわっているのですね。

ちなみに大阪の人に「大阪の家庭には必ずたこ焼き焼き器があるって本当?」と聞くと「そんなことないよ。うちにはあるけど」と答えるように、「大阪の家にはポン酢が複数あるって本当?」と聞くと「そんなことないよ。うちにはあるけど」と答えてくれる人が多かったりします。

 

●たまり醤油や塩も置いて欲しい

ここまで品揃えがあってメーカーもサンビシなら愛知県民としては「たまり醤油も置けよ」と言いたくなる。自分はたまりはイチビキ派だが。 (id:EmanuelWilfer
東海地方出身者としてはどれ選んでいいか分からん、関西甘口醤油が一番近そうだが甘口という表記が気になる、イチビキの醤油出せよコラ (id:w1234567

というわけで、愛知や岐阜などの東海地方の方々にはたまり醤油をお刺身に用いるので、こういう意見があるのでした。

サンビシさんはたまり醤油も有名ですし、ぜひとも置いて欲しいですよね。関西甘口醤油に加えて旨みを出すだけではもったいないとも思うのですが……

あと、イチビキの醬油もいいですよね!
こちらはゼンショーグループではないからはま寿司には入らないとは思いますが、入ってくれたらそれはそれでうれしい。

ちなみに東海圏は大豆たっぷり小麦少なめの「たまり醤油」をお刺身に使うほか、調理用に小麦たっぷり大豆少なめの「白醤油」を用いる文化圏でもあります。これがなかなかほかの地方にはないといいますか、ここ独自の文化なのですね。豆味噌文化圏が東海地方中心なのと同じような感じです。

なので、なかなかしっくりくる醤油を選ぶのは難しいと思います。
サンビシさんのほかの醤油を置いてくれれば解決な気もするのですが……

塩で食べたい時もあるのに、はま寿司は塩がないのか…スシローは塩がある。 (id:Toteknon

塩の袋はあったかなあ。醤油関連にばかり気をとられていて、塩があるかどうかのチェックが欠けておりました。

ちなみにお刺身を塩で食べるか醤油で食べるか、好みがあるのですが基本的には醤油(濃口醤油)の方が良いと思います。というのも濃口醤油は「お刺身で食べる魚の生臭みを消す」ために味が進化していったという歴史があるからです。いわゆるマスキング効果を強くする方向に進化していったのですね。

新鮮な、生臭みのない魚はお塩で食べてもおいしいのですが、ちょっと旨み的には物足りない可能性がある(前回のエントリ参照)ということも合わせて、やっぱり適切な醤油がいいんじゃないかと思う派です。ただし、これは醤油が好きすぎる人の意見であるということを差し引いてください。

 

●旨みを足すのはネタに対する冒涜か問題

旨味を足した醤油を出すのはネタに対する冒涜じゃないのかね。手軽に美味いけどマヨラー的味音痴になりそう。 (id:spark7

これもとても難しい意見です。好みの問題もありますので何が正しいと断言することができないのですが、個人的には冒涜とは考えておりません。

人類はいろいろなものを食べるために「調味料」を生み出しました。サラダだって生野菜のままや、塩だけ(サラダの語源)だと食べにくいのでドレッシングを生み出します。単なる塩や砂糖だけでなく、ドレッシングや醤油を生み出したのは、食に対する執念ともいえます。

お刺身も、よりおいしくたくさん食べられるように工夫をして、進化していきました。それぞれの地域で獲れる魚の種類や、手に入るものに合わせてさまざまなバリエーションが生み出されてきたのは、豊かな食文化の象徴とも言えます。

特に濃口醤油は前述のように「お刺身をおいしく食べるように」進化したのです。熟成させて旨みが出てきた魚は、同時に少し生臭みも出てしまいます。旨みを存分に味わうためには、生臭みをどうにかすることが不可欠だったのですね。そこで醤油が香りによるマスキング効果で生臭みを消し、旨みを足し、塩味を加えて食べられるようにしたのです。

そして食べる魚の種類や状態によって、さらに旨みを足したものの方が良いと進化していくのは、これは当然の流れといえます。そうやって工夫をしてきたからこそ、今の我々はおいしいものを味わえるのですね。

従って、旨みを足した醤油で味わうのはネタに対する冒涜ではないと思います。

が。

マヨラー問題について危惧しているのもわかります。何にでもマヨネーズをつけて食べる「マヨラー」は、一時期大きく話題になりました。マヨラーはどうしてマヨネーズばかり食べるかというと、それは日本のマヨネーズがおいしすぎるということと、薬理学的報酬効果にあります。

マヨネーズおいしすぎる問題は、もともとアメリカでマヨネーズを食べてその味に感動したキューピーの創始者中島董一郎氏が、日本に紹介するときにはさらに栄養価を高めようとしたところに遠因があります。

より栄養価を高めようと、全卵ではなく黄身だけを、二倍量使っているのです。これによって、よりクリーミーでまろやかになり、さまざまな料理に合わせやすくなりました。まあ、おいしいんです。単体で味わっても。

そして薬理学的報酬効果ですが、これは中に含まれている油がカロリー高いというところにあります。簡単に言うと、脳が「こんなにおいしくてカロリーがたくさん摂れるものは繰り返し食べたい!」と思ってしまうのですね。なので、あまりにたくさん摂取しすぎるとどんどんやみつきになり、何にでもマヨネーズをかけないと物足りなくなってしまうのです。

このへんの話は、伏木亨先生の本にあれこれ書かれていて面白いです。

タイトルでインパクトがあるのはこれですかね(たぶん絶版ですが) 

こっちにもそういう話が載っていた気がします……ってこれも今は手に入らないのかー

というわけで、マヨラーが何にでもマヨネーズをかけてしまい、味音痴になってしまうというのはほかの調味料とはちょっと異なる話だったりします。甘い醤油の砂糖にも薬理学的報酬効果がないわけではないのですが、油に比べると低いですし、そんな量を(醤油からは)摂取できません。

何にでも旨みを足した醤油をかける、それがないと物足りない、むしろそれだけ味わうということにはならないと思います。醤油をしょっちゅうペロペロするような個人の好みとは別に、ですが……

 

●タッチパネルの声とか

濃口か減塩醤油しか使ったことなかったな。はま寿司は茶碗蒸しがおいしい、あと時々、注文のタッチパネルの声が声優になる。 → 呼子イカのお作りも甘いお醤油のほうが美味しいもんな、鮮度とうまみの話は納得。 (id:nanana_nine

声優さんとのコラボ、すごいですよね。行ったときに、あれどこかで聞いた声が……炭治郎の人だ! とびっくりしました。映画とのコラボではないのに、鬼滅の刃コラボ感がある店内という……

 

あと全然関係ないのですが、はま寿司で食べているときに隣のテーブルで、お母さんがお子さんに向かって

「お醤油食べ過ぎたら死んでまうで!」

とお説教していました。

はい……すみません……

はま寿司の醤油を攻略する(関西編)

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前のエントリでいただいたコメントで『はま寿司』の醤油についてのものがあり、いてもたってもいられなくなってしまったので早速行ってきました。

回転寿司の中でも豊富な醤油をとりそろえている『はま寿司』さん。でも、どれに何をつけたらいいか、ちょっとわからなくもなりますよね。今回はそんな醤油の特徴とか歴史とかもろもろの解説です。

www.hamazushi.com

なお、筆者は関西在住のため関西地区の醤油についてのお話です。関東と関西とで醤油ラインナップが微妙に異なるのです。また、減塩醤油はオプションだったので今回の解説にいれていません(要望があれば書きます)

 

●はま寿司特製だし醤油(公式推奨ネタ:すべてのネタ)

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裏面はこんな感じです。

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カテゴリとしては「だし醤油」です。もうちょっと大きい名称だと「しょうゆ加工品」ですね。まず濃口醤油本醸造)を造り、そこにダシなどを加えています。

加えているのは果糖ブドウ糖液糖、みりん、かつお節エキス、昆布エキス、食塩、酵母エキスなど。果糖ブドウ糖液糖やみりんで甘味が結構加わっていますね。基本はだしと醤油の味わいなんですが、しっかりと甘さもあるという醤油です。

アルコールが入っているの? と思うかもしれませんがこれは問題ありません。雑菌が沸くのを防止するためにアルコールを加える醤油は結構あるのです。酔っ払ったり、自動車の運転が困難になるほど摂取するのは容易ではないので、気にしなくて大丈夫です。もちろん、お子さんでも安心して食べて大丈夫です。

何にかけても大丈夫ですが、甘さが少し気になるという方は、後述の日高昆布醤油をオススメします。

 

●甘口醤油<関西風>(推奨:サーモン・活〆はまち・つぶ貝・たまご)

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裏面

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最初に言っておきますと、関西が甘い醤油文化圏というわけではありません。むしろ醤油は塩っ辛いのです。淡口醤油は色がきれいなまま発酵を止めたり、雑菌がわかないよう、濃口醤油よりも塩分濃度が高いのです。なので個人的には「関西風」を甘口に寄せるのは少しだけ違和感がありました。

こちらもだし醤油です。「しょうゆ加工品」になっていますね。

面白いのは「濃口醤油(丸大豆醤油)」に「たまり醤油」を加えていること。たまり醤油は原材料の大豆(旨みになる)と小麦(甘みになる)のうち、小麦をほとんど使わず大豆中心の旨みが濃厚な醤油です。ここで醤油の旨みを強くし、なおかつ水あめ、酵母エキス、甘味料、調味料(アミノ酸等)を加えているという、かなり甘めの醤油になっています。だし醤油よりも結構甘いと感じるほどでした。

脂ののったサーモンにはかなり合いました。繊細な味わいのものよりは、しっかりかみしめておいしさを感じるものには甘口醤油がいいと思います。


●北海道日高昆布醤油(推奨:やりいか・ほたて・甘エビ・しめさば)

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こちらもだし醤油です。ダシに使っている昆布が北海道産の日高昆布というのがポイントでしょうか。もうひとつ、特製だし醤油と違うところがありまして、それは加えられているものの内容です。

昆布エキス、砂糖、食塩のみになっているところに注目してください。砂糖は入っているものの、記載順が昆布エキス(これが日高昆布製)の次なのもポイントでしょう。そう、あくまで関西のということにはなりますが、レギュラー醤油の中で一番甘くないのです!(関東のは「濃口醤油」に甘みがほとんどないことが予想されます)

味のバランスがとても良いだし醤油です。お寿司は濃口醤油で味わうという方にとっては、(関西店舗だと)この日高昆布醤油が一番満足感が高くなるのではないでしょうか。つまり、困ったら日高昆布醤油としておくと良いと思います。

お寿司には甘くない醤油を使いたい! という人で、関東店舗の濃口醤油がなくて悲しい思いをしている方はこちらの「北海道日高昆布醤油」を愛用していきましょう。

 

●九州甘口さしみ醤油(推奨:活〆まだい・あじ・えんがわ・しらす

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一番の甘口です。お寿司に合うの? と気になる人も多いと思うのでちょっと解説を多めにします。

カテゴリとしては「本醸造濃口醤油」にさまざまなものを添加したものになっていますね。だしを加えていないからか、名称を「しょうゆ(本醸造)」としています。

ちょっと注目して欲しいのは原材料。

砂糖、脱脂加工大豆、食塩、小麦、果糖ぶどう糖液糖と書かれています。このうちの「脱脂加工大豆」「食塩」「小麦」はベースとなる醤油を造るためのものです。

原材料名は含まれているものが多いものほど左側に書かれるという決まりがあるので、醤油を造るときの大豆よりも多くの量の砂糖を使っているようです。すごいですね。さらに甘味料のステビアカンゾウで甘みを加えつつ、増粘剤で粘りも出しています。

というわけでかなり甘めの醤油です。甘い醤油に慣れていないと、どういうネタに合わせればいいかわからないと思うかもしれません。ちょっと食文化の面からどういうネタに合うか考えてみましょう。

九州などで甘い醤油が好まれる理由のひとつに魚を食べるタイミングがあります。魚はきちんと締めると

  • 締める→死後硬直→死後硬直が解けていく→熟成→腐敗

という工程を経ていきます。
ここに食感と旨みの多寡を重ねるとこんな感じ。

  • 締める  →死後硬直→死後硬直が解けていく→熟成  →腐敗
  • コリコリ感→ 固い →柔らかくなっていく →柔らかい→グズグズ
  • 旨み少ない→旨み少 →旨み増えていく   →旨み多い→食べられない

これは死後硬直のあとから筋肉中のATP(アデノシン三リン酸)が分解されてイノシン酸(旨み成分)になっていくことで起こる現象です。なので旨みが増えるのは死後硬直が解けてから。死んだ直後はあまり旨み成分がありません。

いわゆる「腐りかけがおいしい」という言葉を聞いたことがあると思いますが、それはこういう理屈なのですね。腐る直前が一番旨みが多いというわけです。

関東や関西などでは「熟成」のときに刺身を食べる文化があります。一方で九州などでは死後硬直の手前のコリコリ感のあるときに食べる文化があるのです。このお刺身は食感が良いものの旨みが少ないため、そこを補うために、醤油に旨みや甘味を増やしていったという側面があるのです。

というわけで、九州の甘い醤油が真価を発揮するのはコリコリ食感のお刺身というのがポイントになります。推奨ネタも活〆まだいとかえんがわとかが中心になっていますよね。

「活〆」と書かれているネタや、甘い醤油に負けない味が強いものにつけて食べると良いでしょう。

 

●まろやかぽんず(推奨:生たこ・真たこ・えび)

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ゆず果汁、すだち果汁中心のポン酢です。

ポン酢をお寿司につけて食べるの? と思う方もいるかもしれません。板前さんが酢飯などの酢の塩梅をしっかりしているのに酸味のある調味料で食べるのか、と。もちろん、ちょっと嫌な顔をする板前さんもいるでしょう。でも大丈夫。ここははま寿司です。好きなものを好きにかけて食べればいいのです!

酸味が立ちすぎていないため、お寿司に結構かけても「すっぱ!」とはあまりなりません。まさに「まろやか」ポン酢ですね。

上品な白身のお寿司にポン酢はよく合います。推奨されている「タコ」は、そういえば試すの忘れていました。でも噛むほどに旨みが出るタコにも合いそうですね。また、Twitterで「これからは鱈キク(東北地方での白子の呼び名)の軍艦とかが出る」と教わりました。だとすると、このポン酢はばっちり合うでしょう!

 

●まとめ

というわけで、だいたいの大まかな攻略法ですが、甘い醤油に抵抗がない人はこんな感じから試してみるといいと思います。

  • だし醤油:わりと万能
  • 関西甘口醤油:脂ののったネタ
  • 九州甘口醤油:活〆系
  • 日高昆布醤油:わりと万能
  • まろやかポン酢:白身とかタコとか

甘い醤油に少し抵抗があるという人は「日高昆布醤油」を万能枠におき、デッキを組むといいでしょう。

 

●最後の豆知識

『はま寿司』の醤油、そして穴子用の甘いタレにいたるまで、すべて愛知県に本社を置く「(株)サンビシ」製です。実は、いろいろとあった末に2006年に株式会社ゼンショーの子会社になっています。そして、はま寿司はゼンショーグループ。自社グループで醤油を造っているからこそ、はま寿司はたくさんの醤油を並べられるというわけですね。

 

※お返事にちょっと時間が経ってしまったのと長くなりすぎたので別エントリにしてみました 

shouyutechou.hatenablog.com

 

「本醸造の醤油が当たり前になったのはここ20年ぐらい」と言っていいのは今から30年前

※現在は修正が入りました! 迅速な対応に感謝します(2020/10/06追記)

醤油が大好きな人としては歴史改ざんなんてされてはたまらないという事例がありました。2020年9月30日に朝日新聞のサイトで公開されたこちらの記事です。

www.asahi.com

10月3日にはYahoo!に掲載されて、より多くの人が読むようになりました。そこで「本当なの?」と問い合わせがきてとんでもない記事に気がついた次第です。

news.yahoo.co.jp

一体何が問題なのか。

それは最初の章の以下の部分です。

戦時中に大豆の供給が逼迫(ひっぱく)して、その代替品としてカイコのさなぎ、しかも油を採取したあとの搾り粕(かす)から醬油(しょうゆ)が作られたことを知ったときは衝撃でした。さらにその後、アミノ酸液に味つけしただけの化学的な『アミノ酸醬油』が出回るようになり、醬油が本来の味を取り戻すには長い時間がかかりました。本醸造の醬油が当たり前になったのは、ここ20年ぐらいのこと。それほど戦争の影響が長引いたのです

どこがだめなのか順番に説明していきましょう。

 

●戦時中に大豆の供給が逼迫したので代用醤油を造った

戦時中に大豆の供給が逼迫(ひっぱく)して、その代替品としてカイコのさなぎ、しかも油を採取したあとの搾り粕(かす)から醬油(しょうゆ)が作られたことを知ったときは衝撃でした。

この部分。ちょっとややこしいのですが、カイコのさなぎを使っていたかどうかについてをまずは答えていきましょう。そしてそれは、本当です。

戦時中に大豆の供給は逼迫します。食べる大豆にも事欠くので、調味料に回す分がない(その分を食べないと命をつなげない)となったんですね。また、大豆は油をとったりと、さまざまな用途があります。そこで政府からは1940年には大豆をそのまま使う「丸大豆」使用禁止令がでました。

でも多くの人は醤油を求めます。多少食材の品質が悪くても調味料さえあれば何とかなったりするので、醤油をみんな欲しがったのです。ところが材料もなければ工場も動かせず、悠長に発酵させて造る時間がない。そこで大豆と小麦以外からできる醤油っぽい調味料をどうにかして造らざるを得なくなりました。

いちばん簡単なのは、食塩水に醤油の搾り粕で着色したものです。醤油っぽい香りもなんとなくあるし、塩気はある。でも、旨みも何もかも足りない「代用醤油」にしか過ぎません。

醤油の味わいの特徴的なところは、旨み=アミノ酸が多いことです。大豆に含まれているタンパク質が発酵によってアミノ酸になり、あの旨みをだしているのですね。そこに小麦のでんぷんを発酵させた糖分が加わり、旨みと甘みのバランスがとれた味わいになるのです。

では醤油っぽいものを造るにはどうしたらいいか。旨み成分である「アミノ酸」を含んだ液を用意し、それっぽい色と香りをつけて塩を加えたものを用意したのです。

どうやってアミノ酸を得ればいいのか。簡単なのは「タンパク質」を分解することです。発酵させなくても、タンパク質を含んだ物を塩酸で煮沸することによってアミノ酸が得られることがわかりました。もちろんそのままだと食べられないので水酸化ナトリウム溶液で中和します。これでアミノ酸液の完成です。

え? 本当に? と思う人もいるかもしれませんが、これは本当なのです。『栄養と料理』の昭和19年第10巻第6号p17には「実験室でのアミノ酸醤油の作り方」という記事があるのをデジタルアーカイブスで確認することができます。

www.eiyotoryoris.jp

この中の原料に「蛋白質源に富む物(鰊〆粕、大豆粕、蛹、○(読めませんでした)等)」という記述があります。はい、この蛹こそがカイコの蛹というわけです。

ちなみに使用薬品のところにある「盬」は「塩」の異体字ということで、盬酸は塩酸のことを表しています。

残念ながら蛹で造る醤油についてはそれほど詳しいわけではないのですが、塩酸によく溶けるように乾燥して粉状になったものを用いているはずなので、それを搾り粕と言ったのでしょう。ここで言う搾り粕にはもうひとつの可能性があるのですがそれは後述します。

アミノ酸醤油にはさまざまな種類がある

さらにその後、アミノ酸液に味つけしただけの化学的な『アミノ酸醬油』が出回るようになり、醬油が本来の味を取り戻すには長い時間がかかりました。

というわけで、アミノ酸醤油が出回りました。ここは本当です。
タンパク質があればアミノ酸液は造れるので、さまざまな原材料が用いられました。

よく都市伝説のように話題になる「人の毛から醤油を造っていた」というのも、ここからきています。髪の毛はタンパク質を含んでいるので塩酸で分解すればアミノ酸を得られるのですね。でも、日本では研究したものの実用化には至らず、中国では一時期は造られていたもののかなり昔に禁止令が出ています。食生活がストレートに出ちゃうというか、食品に微量に含まれた水銀とかヒ素とかが髪の毛に含まれていたりとかいろいろあったからです。

ではどうしたら原材料が乏しい中、おいしい醤油っぽいものを造ることができるのか。昭和18年キッコーマン(当時は野田醤油)によって考案されたのが「新式1号醤油」です。

簡単にいうと、分解するものを「醤油粕」にしたものです。元が醤油を造るときにできるものなので、それっぽい旨みとかがあるのではという。でも残念ながら十分な旨みはなかなか得られなかったため、さらにアミノ酸液などを加えてできあがるのが「新式1号醤油」です。

でもなかなか(味的に)難しいよねということで、昭和23年にキッコーマン(このときはもうキッコーマンでした)が開発したのが「新式2号醤油」です。

www.kikkoman.com

1970年まで造られていたこの醤油は、簡単に言うと醤油を造るときの「もろみ」にアミノ酸液を加え、一緒に発酵させて醤油を造るというものです。

アミノ酸液だけだと風味が足りない。もろみから造るには時間がかかる。じゃあ、もろみとアミノ酸液を一緒にまぜて発酵させたら、もろみで行われているタンパク質→アミノ酸への分解もある程度省略できて時間短縮になるし、もろみがあるので風味も良い、という方式なのでした。これは非常に画期的だったと言えます。

ちなみに発酵期間は2ヶ月ほどです。『美味しんぼ』とかで「大手の醤油は2ヶ月ほどで造る」と非難しているのは、この話から来ていると推測していたりします。もちろん現在は違いますよ。

 

●醤油を救った新式2号醤油

「新式2号醤油」がなければ、現在の我々が口にしている多彩な醤油は存在しなかったかもしれません。それほど歴史上においては重要な醤油なのです。

戦後間もない頃は食料はGHQが管理し配給していました。
そこでGHQが問題視したのは醤油の非効率的なところです。

というのも、大豆を発酵させて造る従来の醤油だと、大豆をそのまま食べるのに対して「醤油粕」として捨ててしまう部分があるため、旨み成分(窒素で測るので窒素分)は大豆のときに比べると60%ほどしかありません。しかも利用できるまで1年はかかるのです。

そうなると塩酸で分解して余すところなく窒素分を利用できた方が食糧難の日本国民にいいのではと判断したのですね。というわけで、GHQは大豆の配給量を「醤油業界:アミノ酸業界」で「2:8」にしようとしたのです。

ですが新式2号醤油は窒素利用率80%ほど。発酵も2ヶ月ほどと短い。これならばOKということでGHQは大豆を「7:3」で供給することを決定しました。

ここで大豆が供給されたことと、キッコーマンが新式醤油の製法を公開したことで、多くの醤油会社が「発酵」を伴う醤油造りを継続することができたのです。

 

●現在の醤油の種類

さて、件の文章には「醬油が本来の味を取り戻すには長い時間がかかりました。」とあります。では本来の味の醤油とは何なのか。それはおそらく、アミノ酸液を使わないですべて発酵で造られる醤油のことでしょう。

現在ではそういう醤油を本醸造醤油」と言います。江戸時代から続くシンプルな造りで、元祖というか「本来の味」と言われると本醸造醤油をおいて他はありません。

それ以外の醤油はあるの? となると「混合醤油」「混合醸造醤油」があります。

「混合醤油」はいったん本醸造醤油のように発酵で醤油を造り、そこにアミノ酸液を加えます。アミノ酸液でかさ増ししたの? という見方をするとなんだかちょっと悩ましい表現ですが、ダシを加えたダシ醤油のようなものと考えるとどういうものかわかりやすいでしょう。

「混合醸造醤油」は名前として「混合醤油」と似ているのでややこしいのですが、「新式2号醤油」をより洗練させたものです。つまり、もろみを発酵させているときにアミノ酸液を加え、一緒に発酵させて造る醤油です。

 

●現在も20年前も圧倒的に流通しているのは本醸造醤油

現在流通しているのは圧倒的に「本醸造醤油」です。では、件の記事のとおり20年前はというと、これも「本醸造醤油」です。

現在は大豆も小麦も戦後間もないころに比べれば非常に安価で入手できます。つまり、原料コストを抑えるためにアミノ酸液を加える必要はありません。

今も尚、混合醤油や混合醸造醤油が造られているのは、その味が地域の好みに合致したからです。たとえば甘い醤油が好きな九州とか北陸とかそういう一部の地域では混合醤油や混合醸造醤油が造られています。食べているうちに「これじゃなきゃ嫌」となったのですね。

いつから本醸造醤油が当たり前になったかを断定するのは難しいのですが、昭和30年(1955年)には醤油の製造工程の麹造りにも革命がおきて、本醸造醤油の大規模な工場ができています。ここをもって本醸造醤油の普及と捉えるのは少し乱暴な気もしますので、1970年にキッコーマン(日本のトップシェア)が混合醸造醤油(新式2号醤油)の醸造をやめたタイミングにしましょうか。

はい、50年前ですね。

というわけで長々と説明してきましたが、「本醸造の醬油が当たり前になったのは、ここ20年ぐらいのこと。」というのは100%嘘ということが言えるのです。歴史の改ざん、良くない!

 

●何を言いたかったのかの推測

さて、ここからは謎解き編です。仮にも食文化研究家と名乗っている人がこんなレベルのミスをするとは考えたくありませんし、文章を担当された澁川祐子さんも非常に丁寧に取材をして記事を書く印象があります。澁川祐子さんの『オムライスの秘密 メロンパンの謎』は非常に参考になりました。 

 

おそらくなのですが、「本来の味」という言葉を使っているし、これは「丸大豆醤油」のことを指しているのではないでしょうか。

話はまた物資のない時代に戻るのですが、1940年に丸大豆の使用禁止令が出たことは述べたと思います。じゃあその時は醤油造りに何を使っていたかというと「脱脂加工大豆」なのです。

大豆というのは非常に多くの油分を含んでいます。でも、醤油を造ったときにはこの油は風味の邪魔をしてしまう。なぜなら長期間の発酵中に酸化してしまうから。というわけで醤油油(しょうゆあぶら)として醤油から取り除き、飼料にしたりします。

ということは、醤油油ではなく、もっとほかに利用できる大豆油を先に取り除いてもいいよね? 少ない資源を有効活用したいし。となるのは当たり前です。大豆油はいろいろと使い勝手があるのでばんばん搾りたい。そして余った部分をどうにか有効活用できないかとなって、それを醤油にしてみようとなったのでした。

一見すると大豆の搾り粕みたいなものと思われるかもしれませんが、思わぬメリットもありました。それは、油分がないため、菌が隅々まで届くようになり、最後の最後まで発酵させることができるようになったのです。現在は脱脂加工大豆を作る技術が向上したこともあり、かなり旨みの強い醤油を造ることができるようになりました。

なので、もう脱脂加工大豆を無理して使わなくても丸大豆が手に入るからいいよとなっても、使い続けるところが大半を占めたのです。脱脂加工大豆の方が旨みが強い醤油を造れるのだったら、こちらを選んだ方が良いというわけですね。

でも、そのままの「丸大豆」を使った醤油の方を昔からの醤油、つまり「本来の風味」と考えることはできなくもありません。その他いろいろな理由はあるのですが、まるごとの大豆を使った「丸大豆醤油」ももちろんまた造られていきます。

丸大豆醤油は発酵後に取り除かなければならない醤油油があるのですが、それでも油の一部がグリセリンとなって醤油に溶け込むことで、まろやかな風味と深いコクが加わる醤油となるのです。

  • 脱脂加工大豆の醤油(大半の醤油)=旨みが強い
  • 丸大豆醤油=まろやかな風味と深いコク

と覚えるといいでしょう。

ここで本エントリの前半で「搾り粕」のもうひとつの可能性と言ったことを思い出してください。そう、カイコうんぬんでミスリードされましたが、醤油造りで「搾り粕」という言い方をする場合、たいていは脱脂加工大豆を指しているのです。

そして、おそらく日本でいちばん有名な「キッコーマンの特選丸大豆しょうゆ」が発売されたのは1990年のこと。

www.kikkoman.com

この二つの事実から「本醸造の醬油が当たり前になったのは、ここ20年ぐらいのこと。」は「丸大豆の醬油が当たり前になったのは、ここ20年ぐらいのこと。」と言いたかったのではないでしょうか。それでも若干ずれてはいますが……

醤油を愛する一読者として、さらには両著者の名誉のためにも、もう一度記事を精査して訂正するところは訂正していただけたらと思います。

 

2020/10/04追記

たくさんのブックマーク&コメントありがとうございます! 以下、拾い切れていないかもしれないのですが補足説明を。

●読めなかった漢字

 

みなさんすごい……ありがとうございます!

「鰮(いわし)」のようですね。確かに左下の最後のところを見ると鰮と読めました!

 

美味しんぼについて

  • 美味しんぼでは短い発酵期間だけでなく、大豆油を絞った粕を原料にすることも批判的に扱っていた。(id:ROYGB
  • 美味しんぼ』「醤油の神秘」は3巻(昭和60年(1985年)7月発行)に収録されている。既に35年前か。 (id:mujisoshina

はい。おっしゃるとおり、3巻に収録されている「醤油の神秘」で大手メーカーの醤油について批判されています。

ただまあ、これがおそらく雁屋先生が当時参考にした資料が古く、大手の醤油は2ヶ月ほどで造ると言っているのが1970年に生産が終わっていた新式2号醤油のことを指しているのではないかと思うのです。

そして同じく脱脂加工大豆についても批判されているのですが、それもちょっと違うということはエントリ中に書いた通りです。

この「醤油の神秘」の回については、FoodWatchJapanでも批判がされておりますので興味のある方はぜひご一読を。

www.foodwatch.jp

美味しんぼ』の功罪については、拙著『グルメ漫画50年史』でもたっぷりと書いてありますので興味のある方はぜひ(自著の宣伝だ!)

 

グルメ漫画50年史 (星海社新書)

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  • 作者:杉村 啓
  • 発売日: 2017/08/26
  • メディア: 新書
 

 


そして

  • 解説に違和感。80年代まで3~6か月の「速醸製法」のみだったからでは?美味しんぼ以降大企業も醸造期間を倍以上に伸ばし天然醸造に近づけた製品出した (id:vabo-space
  • 美味しんぼの記述は酵素による発酵促進の話じゃないか?朝倉義景の遺臣団が天正元年に始めた醤油屋、室次あたりは発酵促進してない醤油を一年かけて作ってるぞ。 (id:toratsugumi

 

というコメントについてですが美味しんぼについて記憶違いかなとも思ったので、もういちど手元の本を確認してみました。『美味しんぼ』3巻5話「醤油の神秘」の回、119ページです

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大手メーカーの「大益」は2ヶ月で仕上げる。さらに化学調味料や甘味料を加えるとありますね。これは新式2号醤油、つまりは混合醸造醤油のことを指しています。

本醸造醤油はではどれぐらいの発酵期間が必要かというと、だいたい6ヶ月ほどはかかります。

そして醤油は発酵で造る、つまり微生物が造っているということが前提としてあります。生き物ですので、思わず働きたくなるような環境だったら大いに働き、過酷な環境ではあまり働いてくれません。気候や環境によって醤油が完成するまでの発酵期間には大きな差がどうしても生じてしまうのです。

代表的な醤油の産地である千葉県の野田や銚子は非常に醤油造りに適した気候です。ここで1年の発酵期間を経て造られた醤油と同等の品質(発酵具合)を適していない土地で造ろうとすると、1年半とか2年ぐらいかかってしまうこともある。それぐらい大きな差が出てしまうのです。

じゃあ逆に、微生物にとって超理想的な環境にしたら発酵期間は短くなるんじゃないか。空調という文明の力を使えば気温も湿度もコントロールできます。発酵のメカニズムも解析され、どうやったら促進されるかがわかってきました。そういう発想で大手の醤油は従来なら1年かかる発酵期間を半年近くに縮めることに成功いたしました。発酵促進する酵素セルラーゼを使っても、だいたいは半年ぐらいかかります。

3〜6ヶ月というeonetさんの記述は混合醸造等か、もしくは濃口醤油ではない淡口醤油(若干発酵期間が短くなります)が混じっているからではないでしょうか。少なくとも美味しんぼ以降に醸造期間を延ばして天然醸造に近づけたという記述は、今まで読んできた文献や聞いてきた話の中には見当たりませんでした。

 

●甘い醤油について

  • 出荷数とかのデータを出さないとこの記事も元の記事も根拠のない話なのは同じなんだが/丸大豆醤油は資源の無駄遣いだと思う/甘い醤油は戦中戦後の物資不足から始まったものみたいな書き方だけどそうなの? (id:uunfo
  • 北陸(と九州)の醤油がいつから甘いのか不思議だったけど、意外と最近なんだなぁ。県外に進学したら醤油が合わなくて参った記憶がよみがえる。(twitter @428_photograph)

すみません。出荷数とかは、元記事を読んで頭に血が上ってガーッと書いたのでそこまで詳細に調べている時間がありませんでした。なので、わかりやすい方(日本のシェアの四分の一を占めている会社で生産が終わった年)というのを指標にしたつもりです。

そして甘い醤油についてですが、これまた少し誤解をまねく表現で申し訳ありません。

甘い醤油の歴史はもう少し古く、江戸時代まで遡ります。甘くなった理由は1つだけでなくたくさんあるのですが、当時は貴重だった砂糖が比較的入手しやすかった(出島での貿易、奄美大島での生産、九州との貿易が盛んな日本海側)とかそういう要素があります。

元から甘い醤油が好まれていた地域では、アミノ酸液を加えた混合醤油や混合醸造醤油が「これ、おいしい!」となって地域に根差していき、今日まで造り続けられるし地元に愛されているということになったのです。

九州うまくち醤油が口に合った俺は負け組ってことか。確かに成分にアミノ酸液と書いてある。 (id:peerxpeer

決して負け組ではありません!
アミノ酸液を加えたものでも当然地元の食材に合わせて進化をしていき、より美味しくなっているのです。天然醸造だからえらい、アミノ酸液を使っていないからえらいとかそういうことはありません。すべての醤油は、その醤油が輝く食材や調理方法があるのです。そして、peerxpeerさんはその中でも九州の醤油がお口に一番合ったということですね。


●減塩醤油や醤油風調味料について

  • 「醤油風調味料」ってやつはここでいうとどれなんだろう(id:chintaro3
  • 減塩醤油もアミノ酸を増やして減塩してるイメージだがどうなんでしょ(減塩味噌はこれ)。 (id:y-wood

醤油風調味料はカテゴリとしては非常にあいまいで、なかなか一言では言えなかったりします。基本的には醤油をベースにしていろいろと加えている醤油加工品か、醤油とは名乗れないけど醤油のように使って欲しい調味料と考えるといいかもしれません。

後者は何のことやらと思われるかもしれませんが、現在のJAS法では醤油を名乗るためにいろいろと規定があって、その中に「大豆」を使っているというものがあります。

たとえば愛知県を中心に造られている「白醤油」があります。従来の濃口醤油は大豆と小麦を半々で作るものなのですが、小麦の比率を高めたものです。ざっくり言うと大豆は発酵すると色が黒くなる、小麦はそこまで黒くはならないと考えてください。

大豆の比率を多くすると色が黒く旨みが強くなり(たまり醤油はこちらです)、小麦の比率を多くすると色がどんどん淡くなって甘みが出てきます。白醤油は小麦9割大豆1割にした、琥珀色で美しい醤油なのです。

じゃあこの白醤油を、どんどん小麦を増やして大豆なしにするとどうなるか。それは「醤油」とはいえません。そうしてできあがったのが日東醸造の『しろたまり』という製品だったりします。これは醤油と名乗れないので小麦醸造調味料とも名乗っていますね。

nitto-j.com

まあ、これはちょっと極端な例ですが、そうやって醤油と名乗れないものも醤油風調味料というカテゴリに入ったりもします。魚が原材料である魚醤も醤油風調味料と言ったりすることがあります。

もうひとつ、減塩醤油ですが、アミノ酸液を加えるのではなく、普通の醤油をまず造ってそこから濾過によって塩分を取り除くという手法がとられています。このへんはキッコーマンさんが公開している「減塩BOOK」に詳しいことが書かれています。

https://www.kikkoman.co.jp/library/genen50th.pdf

 

●ラベル説

"本醸造"と言う言葉は、90年代後半の日本酒ブームから高級感や美味い物として知られるようになり、それに合わせて従来本醸造で作られいた醤油にも2000年頃にラベリングされたと思われる。 (id:luxon0314

なるほど! ラベルに本醸造と明記するようになったのが2000年頃という話ですね。これはちょっと盲点でした。だとすると、まあ20年という感覚になるのもわからなくはありません。そうだったら謝罪したいと思います。これは一朝一夕で調べられないので、時間のあるときにちょっとずつ調べていきたいです。

●宣伝しろと言われた気がするので

この人、白熱日本酒教室の原作者さんだね。醤油もこのレベルで詳しい&分かりやすいの凄い… (id:bfms350

ありがとうございます! 宣伝しろと言われた気がする(勝手な解釈)ので最後に大きく宣伝を!

醤油も本をだしているのですが、お酒の本もだしております。一番読みやすいのは漫画版『白熱日本酒教室』でしょうか。こちらから全部読めます!

sai-zen-sen.jp

おまけページ満載の単行本は全3巻。Kindle等の電子書籍版もあります!

 

原作になった新書版もよろしくお願いします!

白熱日本酒教室 (星海社新書)

白熱日本酒教室 (星海社新書)

 

 

10/05 16:50追記

さらにたくさんのブックマーク&コメントありがとうございます! 以下、またコメント補足です(さすがに長すぎるので次があるなら別エントリにするかもしれません。醤油の話を振られると止まらなくなってしまうのです)

 

●ラベル問題進捗

最初の追記で記載したラベル問題ですが、とりあえず現時点での調査報告です。
まず、共有しておきたい前提条件がこちらです

  • ラベルに「本醸造」と記載できるのは条件を満たした醤油のみ(JAS法)
  • 基本的には品質が良いよという証でもあるのでメーカー側は記載したい
  • 裏の成分表示にはJASを取得した醤油については記載が義務

luxon0314さんの推測では、前面に大きく出すようになったのが2000年頃ではないか、というものでした。

JAS法の醤油についてが制定されたのが昭和38年(1963年)、改訂されて今のとほぼ同じになったのが昭和48年(1973年)のことです。つまり、これ以降のJAS取得醤油に関しては、少なくとも裏面の成分表示のところには記載されてはいました。

では表側にはといいますと、昭和50年頃の大手メーカーの醤油で表側にも「本醸造」と記載されていることは確認できました。

もちろん一社のみだとこれをもって普及とは言えませんが、大手が表示していたら他の会社も左へ習えと追従していくことが多いため、昭和50年頃からメーカー側は表示していく方向性にあったのではと推測できます。

まだ追加調査が必要ではあると思いますが、現状では「20年前から本醸造と書くようになった」わけではなさそうです。

●生産量について

uunfoさんご指摘の生産量ですが、JASの資料を探しているときにある程度の答えが載っているものを見つけました。JAS認可をとったものに限りますが、昭和50年(1975年)のデータがPDF2枚目にあります。

(しょうゆのJAS、この10年)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/81/7/81_7_454/_pdf

抜粋しますと

生産量全体の60%以上が本醸造醤油です。過半数を超えていれば、本醸造醤油が普及していると言って差し支えないのではないかと思います。45年前のデータではありますが、この時点で新式醸造アミノ酸液混合が減少傾向にあったことを考えても、50年前には本醸造醤油が大半になっていたと言えるのではないかと思います。


●改ざん問題

単なる誤解や間違いを改竄と表現するのは良心的ではない (id:mlr

いや、これ、ごもっともでして。
元の記事は「みんな日本食すごいっていっているけどそうではないよ」という説がベースにあり、それを補強するために醤油を利用しているように見えて頭に血が上ってしまい、強い表現を使ってしまったのでした。
また、最近はさまざまなジャンル(ゲームだとかオフィス環境だとかいろいろ)で誤った思い込みによる歴史観を語る人がたびたび話題になり、歴史改ざんと揶揄されていたので今回も改ざんという表現を使った次第です。こんなに読まれるエントリになるとは思わなかったので反省しています。

●ここ20年で合っているだろう問題

いやいやいや、ここ20年であってるだろ。少なくとも俺の地元でキッコーマン売り出したのははここ20年だ。 (id:hanajibuu

これは非常に難しい問題です。醤油は極めて地域性の高い調味料でもあるからです。いわゆる「なんだかんだ言って地元の(生まれ育ったところの)味が一番」なのです。

醤油業界は2020年現在は1200社ほど会社があるものの、そのうちの大手6社で日本全体の生産量の50%以上を占めるという、大手と小規模な会社の二極化が進んだ業界でもあります。そしてそれは20年前も、会社の総数は多けれど変わりはありません。

したがって、大半の地域では地元の醤油よりも大手の醤油の方が並んでいるということにもなるのです。なので全体の普及を語る上では大手メーカーの醤油をベースに語る方が正しいのですね。

それでも、大手メーカーの醤油ではなく地元の醤油が愛されているため、なかなか大手メーカーの醤油が売れないという県内生産優位性を持った地域があります。有名なところでは、秋田県でしょうか。東北醤油さんが造る『味どうらくの里』(昭和54年販売開始)は、あまりのおいしさに秋田のソウル調味料とも言えるものになり、他の追随を許さない圧倒的な人気を誇ります。そのため、秋田県では普通の醤油よりもだし醤油の方が一般的、という地域なのですね。

www.touhoku-syouyu.co.jp

ちなみに2002年時点ですが、そういった県内生産優位性をもった県について調べた資料があります。12県あるようです。

(生産と流通からみた日本の醤油醸造業と醤油嗜好の地域性)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tga1992/57/3/57_3_121/_pdf

というわけで、hanajibuuさんは県内の醤油が圧倒的な地域のご出身なのではないでしょうか。だとすると、キッコーマンが入ってきたのがここ20年というのも納得いただけるのではないかと思います。

 

●空気に触れない容器


少し話がずれるが、醤油の味が変わったように消費者が感じ始めたのは、製法の違いというよりも消費者側での酸化防止技術(容器の進化)ができたからだと思う。 (id: toomuchpopcorn)
面白く読んだ。個人的に醤油の進化を感じたのは酸化防止パッケージが食卓に並ぶようになったこの10年かなぁ。昔はビン一択で真っ黒醤油がデフォだったし。鮮度の高い赤い醤油は美味しいよね (id:chrysler_300S
醤油は酸化防止容器が出てきてからが美味しい時代になった。主に香りだけど、製造法より遥かにイノベーションだった (id:kowa

これは本当に最高ですし、2000年以降最大の発明と思っていますし、すべての醤油がこの容器でもいいんじゃないかと思っています。あまりにこの容器が好きすぎて140Pほどの同人誌を作成してしまったほどです。電子化はしていないのですが、ご興味がおありでしたらぜひ。

shouyutechou.hatenablog.com

通販はこちらからできます

shop.comiczin.jp


●はま寿司の醤油

はま寿司にある5種類の醤油はみな製法が違うのだろうか? (id:mochitabesugi

はま寿司、すばらしいですよね。さまざまな醤油をネタに応じて切り替えられる、最高の回転寿司だと思います。もうちょっと近所にできて欲しい。

それはさておきラインナップはこちらですね。

www.hamazushi.com

  • だし醤油:丸大豆醤油を造り、そこにダシを加えている
  • 濃口醤油:これがいわゆる普通の醤油です。東日本限定にせずどこでも置いて欲しい
  • 甘口醤油:濃口醤油にたまり醤油を加えています。さらにアミノ酸液や甘味料を加えて味わいを調整していた記憶があります
  • 日高昆布醤油:だし醤油のダシを、日高昆布からとったダシにしているものですね
  • 甘口さしみ醤油:これはおそらく甘口醤油と同様に、アミノ酸液や甘味料を加えて味をさらに甘めに調整しています

おそらく、と入っているのは最近行っていないため、記憶に頼っている部分があるからです。基本的にはベースになる濃口醤油本醸造醤油)があり、それにダシを加えている感じでしょうか。加えている中の「たまり醤油」は濃口とは少し異なる製法の醤油です。甘口さしみ醤油はもしかしたら混合醸造醤油かもしれません。書いていたら食べたくなってきたので今月中には行けたら……いいな……

行ってきました(10/8追記)

shouyutechou.hatenablog.com

 


安住紳一郎の日曜天国

今日の日曜天国のフリートークが醤油の話だった。安住紳一郎は醤油親善大使というムダ知識も手に入れた。 (id:yokosuque
TBSラジオは一刻も早くこの方へ「日曜天国」出演依頼をしてほしいんだ。安住紳一郎しょうゆ大使との会話を是非聞いてみたいんだ。 (id:amino_acid9

安住さんの番組、最高ですよね。
昔、勢い余って醤油の同人誌を番組宛てに送ったことがあります。丁寧にはがきの返信をいただきました。

 

●忘れていた醤油の本の宣伝

そういえば醤油の本の宣伝を忘れていました。醤油についてあれこれの基礎知識をまとめた同人誌を電子化したものが気軽に読めると思います。

醤油手帖 基礎知識編

醤油手帖 基礎知識編

 

商業版の個々の醤油紹介している本はこちらです!

 

醤油手帖

醤油手帖

  • 作者:杉村 啓
  • 発売日: 2014/03/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

『みんなのランキング』のめんつゆランキングに寄稿しました

ちょっといろいろあって、精神が落ち込んでいた間に書いただしの本ですが、読み返したらちょっと面白くない(公式の羅列みたいなのを想像してもらえると)ということがわかったのですみません。書き直します。最近はリングフィットのおかげでいろいろと気分も上向いてきたし! 筋肉は裏切らない!(近況報告おわり)

というわけで、すみません。同人誌はコミケ(5月)も8月も間に合いませんでした。でもがんばって書きます。

そして、今日の話題はそれではなく、寄稿しましたよーという宣伝です。

『みんなのランキング』さんの、めんつゆランキングに専門家として寄稿いたしました!

ranking.net

『みんなのランキング』さんは、さまざまなジャンルのランキングを投票して、あれこれ順位を決めようじゃないか、というサイトです。ただ、それだけだとたとえばCMとかでばんばん放送されているものとかがランキング上位に入ったりすることになりますよね。

もちろんそれはそれで良いのですが、あまり広告を打っていないところでもこんなに素晴らしいものがあるんだよ、ということを言う人がいた方がいいんじゃないかと。いわゆる有識者な専門家枠が必要ではないかと。それにより、単なるランキングだけではなく多面的に有益な情報が得られるようになっている、というサイトなのです。

その『めんつゆ』ランキングにコメントしてくれないかというお話がありまして、寄稿しました!

1位の『唐船峡めんつゆ』はもう何というんでしょう。あまりにも最強すぎるというか。「甘みのあるめんつゆ」と聞くと「えー」と思った人でも、いざ食べてみるとみんな絶賛という、個人的殿堂入りめんつゆなのです。今年も数リットル買って順調に消費中です。

もちろん他の市販のめんつゆもおいしいんですが、唐船峡のは本当に甘みと旨みが段違いなので、ぜひ味わって欲しい! ということで1位に推しました。

他のものもめちゃめちゃおいしいので、ぜひ試してみてください!

 

 

 

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