無事に入稿が終わりましたので、醤油手帖vol.3の中身とかを紹介していきましょう。
まずは確定表紙を表裏です。どーん!
アンケートのときよりも、醤油染みの位置を調整しております。裏表紙の左上に輪染みを、右下に醤油染みを配置しているのですね。もしよかったら以前のアンケート時と見比べてみてください。こっちの方が、いいですよね?
実は今回、印刷所を変えております。別に以前お世話になった印刷所に不満があるわけじゃないんですが、醤油手帖のコンセプトは「とにかく思いついたことを盛り込む」なので、もう一歩踏み込んだ仕様にチャレンジできる印刷所にお願いをしようと思ったのですね。今回は、そんなわけで別の印刷所様で印刷をしております。
大きな変更点としては「箔押し」でしょうか。今回は箔押しの種類や面積を大きく使って、1つの箔(金色)でタイトルと醤油瓶を作っております。
……ところがここで問題が1つ。
細かい文字や細い線が通常の箔押し通常の箔押しでは綺麗に出ないかもしれない、と印刷所から言われてしまったのです。解決するには「高精細箔押し」という、普通のものよりも細かくできる奴(でもお高い)にするか、元のデータを修正しなければなりません。多少のつぶれも味があって、それはそれで良い物なのですが、繊細な感じも捨てがたい……
というわけで、今回は「高精細箔」で作業をしてもらうことにしました。思いついたことは何でも盛り込む! の精神です。
是非、お手に取ったら箔の部分に注目してみてください。高精細箔の美しさを体感できるのではないかと思われます。
つぎに本文を見てみましょう。これがたまごかけご飯専用醤油のところの本文ですね。
そしてこちらがコラムコーナーのサンプルです。
実は、ここもかなりこだわりました。どこにこだわったかというと「文字組み」です。
見ての通り、醤油手帖は縦書きで構成されています。この縦書きが、実は結構難題なのですね。横書きだと問題の無い表現、例えば100mlという表現も縦書きにするとどう表現するかとても悩ましかったりします。
実は、醤油手帖vol.2では悩んだ結果、数字は基本的に漢数字を使うようにしました。年号とかは「二〇〇一年」のような表記になっていたのですね。でも、ここで文字組みの問題が出てきたのです。
vol.2までは詰め組みというやり方で文字を配置していました。いったいこれは何なのかというと、1文字1文字の余白が文字ごとに異なっていて、プロポーショナルフォントを使って書いた文のようになっている、という表現がわかりやすいでしょうか。
そうなると、「二〇一一年」のように「一」が縦に2つ重なると、余白が詰まりすぎて「二〇二年」のように表記されてしまっていたのです。なので、これもさんざん悩んだのですが「二〇十一年」のような表記にしたのですね。お手元にvol.2がある方は見てみてください。
そこで今回の醤油手帖vol.3ではベタ組みという文字の配置にしてみました。ざっくり言うと、等幅フォントで書いた文章のようになります。
ベタ組みにすると、ひらがな部分がすかすかで、画数の多い漢字の部分が濃く見えるという印象を受けやすくなります。ぱっと見の濃淡の差が出るので、少し違和感があるように見える、という印象を受ける方もいるかもしれません。でも、古くからの文庫など多くの縦書きの書籍ではベタ組みですし、何より年代を多く使う醤油手帖では「二〇一一年」が綺麗に読めるし、文字のピッチが一定になって疲れにくいのでは、といった理由でベタ組みの方が向いているという判断を下したのでした。結果的に、新書のような感覚で読めるようになり、良かったと思っています。
この辺をもうちょっと詳しく知りたいという方がいたら是非ご連絡を。こういうことを語りたくてうずうずしているので、もっと詳しいエントリを書きます。
さて、お待たせいたしました。豪華ゲスト様情報です。今回の醤油手帖では、3名の方にゲストイラストをお願いいたしました。
みゃむ様
伊藤ベク様
アザミユウコ様
です。
今回も醤油手帖vol.2と同じく、イラスト&コラムという構成になっています。というわけで、アザミユウコ様の美麗なイラストページをどどーんと!
さらにさらに、本に彩りを添える遊び紙(表紙と中表紙の間の紙です)もばーんと奮発しちゃいました。かなりいい紙を使っているので、ちょっと触ってみたりしてみてください。
というわけで、細部に至るまで神経を注いだと自負している醤油手帖vol.3 〜たまごかけご飯専用醤油編其の弐〜は、A5版64ページ(うちカラーが8ページ)で600円になります。はい、調子にのって、一番いいのを頼むと言い続けていたら500円だと赤字になることが発覚したのでした……
でもでも、本当にすばらしい本に仕上がったと思います。
醤油手帖vol.3 〜たまごかけご飯専用醤油編其の弐〜は、コミックマーケット83の3日目(12月31日)東ホール「フ-45b」にて頒布いたします。そのほかの正式なラインナップが確定したら、また取り置きフォームも用意させていただきますので、皆様よろしくお願いいたします。