2021/5/24放送の日本テレビ系『news zero』でまた取材されてリモート出演しました。前回はこちら。
「今度こそお酒の飲み過ぎでやらかしたか」「醤油の飲み過ぎ、やめた方がいいよ?」とお思いの方もいるかもしれませんが、前回リモート出演したのと同様に、京都の鴨川についてのものだったりします。
なんでも京都の鴨川のゴミがすごいみたいじゃないですか。杉村さんは定点観測をしていて何か気づいたことがあったりしませんか、という電話がかかってきたのです。そこからあれよあれよとリモート出演が決まったというわけですね。大慌てでシャワーを浴びたけれども緊急事態宣言中で髪の毛を切っておらず、ドライヤーでざっと乾かしたもののちょっと髪がピンとはねていました。全国の視聴者にそういう姿をさらしてしまったわ……
その模様はこちらから見られます。
Yahoo!ニュースのなのでたぶんそのうち消えてしまうので、見たい方はお早めに!
あとなんか同じ内容を『ミヤネ屋』でも見たと実家から連絡が入ったりしたのですが、自分では確認していないのでよくわかっていません。
見てわかるとおり、ショッキングなゴミのポイ捨て写真と、それに関するコメントをしております。が、やはり短い時間ですので、裏の背景といいますか。この日の鴨川がどういう状態だったのかという前提がないと、単に若者が夜通し騒いでいるのはけしからんと言っているだけの人になってしまうので、簡単に説明いたします。
あ、ここまでの緊急事態宣言まとめの方を(長いんですが)先に読んでもらった方がいろいろとわかりやすいと思います。
●5月21日(金)に大雨が降った
近畿地方は例年より早く梅雨入りし、5月20日(木)の夜から5月21日(金)の朝にかけて大雨が降りました。これは京都も例外ではありません。
京都で大雨が降るとどうなるか。鴨川が大変なことになってしまうのです。
鴨川が溢れて土手が水没してるーー!!! pic.twitter.com/PinaLwWf6t
— むむ@白熱日本酒教室全3巻発売中 (@mu_mu_) 2021年5月20日
川の水があふれて土手を浸食していますね。上記のツイートのスレッドを見ていただくと写真や動画がたくさんありますので、どれだけすごい大雨だったか気になった方は是非ご覧ください。
ちなみにこの日も定点観測で大雨の中ゴミはあるのかなあと鴨川を訪れたら、こういうことになっていたのでした。見に行った時間が早朝すぎたため、大変なことになっていると見ている最中に、鴨川のかなり上流の方で土砂災害の避難指示が出てiPhoneに届いたため、慌てて帰宅しました。
動画も撮ったところ、いくつかテレビ番組から使わせて欲しいと連絡がきたので「視聴者提供」という枠で『バイキングMORE』や『Nスタ』に提供しています。
当然ながらこんな状態の土手に足を踏み入れるわけにはいきません。流されてしまう可能性があります。命に関わる事態なので「災害のため立入禁止」という看板が土手に下りる随所に展開されるわけです。
さて。
雨があがっても、土手まで川があふれてしまったらすぐに元通りになるというわけではありません。上流から流れてきたさまざまなゴミや泥が土手を覆い尽くしているからです。
踏んだり、転んで手をついたりすると怪我をしますし、そこから破傷風みたいな病気にかかるかもしれません。つまり、非常に危険な状態なわけです。そのため、片付けが終わるまでは立入禁止が継続されていました。つまり、大雨が降った5月21日から放送の当日である24日までは、基本的には土手に入ってはいけない状態だったのです。
●大雨の翌日からゴミがたくさんあった
ではさすがに5月22日にはゴミがないだろうと思っていたのですが、こういう結果に。
立入禁止の看板があるにも関わらず、いつものようにゴミがありますね。
その1の奥にすでにその2のあれこれが写っているのがわかると思います。なお、この写真を撮るために、数歩だけ立入禁止看板の奥に進んでズームを使いました。懺悔します。ごめんなさい。
これは三条大橋の上から撮った(ここは立入禁止ではないです)写真ですが、まだたくさん流木やら何やらがありますし、橋の下の通路が水没しているのがわかります。その状態で、夜に集まって飲み食いをしてポイ捨てをしていたというわけです。
この水量もまだ多く、石を伝って渡るところは鴨川デルタのところも含めて水没していますね。
完全に水没していて、渡るのが危険なぐらいの水量になっています。
●川や土手が危険な状態でも人がいた形跡があった
ということを踏まえた上で、5月24日に放送されたnews zeroの中で「こんなときに夜通しさわいでいる人達がいる」と言っています。
夜の定点観測はやめたんじゃないの、という話が出るかもしれないんですが、朝の6時台に鴨川に行くと、まだ飲んでいるグループもいれば、飲んでいるかは遠目にはわからないけれども集まっている人達に結構遭遇しているんです。
さすがに朝の6時前から集まって鴨川で飲むというのはなかなか考えにくいですよね。なので、夜通しという表現を使わせてもらいました。
news zeroに提供したのは5月23日(日)に撮影したものですが、それ以外の日でも、朝6〜7時に鴨川の景色を撮っていたら偶然にも遠くの方に集団が写ってしまった写真があります。それは座って宴会をしていたり、立って飲んでいたり、カホンやギターを演奏していたりというものです。どれも遠目から見た限りでは(近寄りたくないので近寄ってはいないのですが)若者でした。ただ、個人攻撃をしたいわけではないので掲載は割愛させていただきます。
ちなみに。
それらの若者がゴミのポイ捨てをしているというのは、news zeroに提供したグループの写真の足下をよくよく見るとゴミ袋などがあり、最初に撮影してから30分後に同じ場所を訪れると彼らは立ち去って高瀬川に河岸を移していて、さっきまで彼らがいたところのゴミがそのままだったのでした。
この写真の上の方のゴミが、news zeroに放送された写真のグループがいた場所だったりします。
●いったんまとめ
というわけでちょっと話をまとめますと
- そもそも緊急事態宣言中で飲食店の営業が規制されているし酒類の提供ができない
- 変異株が流行の兆しを見せていて、屋外だからといって安全なわけではない
- 大雨災害の影響で、土手が危険な状態であり、立入禁止の看板が出ている
という、今までにもまして外に出ると危ない状態にもかかわらず、暗い夜に集まってお酒をがんがん飲み、時には朝まで飲み、出た大量のゴミを持ち帰らずにポイ捨てしている人達がいたのでした。
ヤフーコメントなどで「いいだろこのぐらい」「大目に見てやれよ」「懐かしいなあ、夜に鴨川で集まったりしましたよ」などと言っている人がいるのは、さすがに世の中にもうちょっとだけ関心を持ってほしい気がします……
ただまあ、個人的にはこれはゴミ箱がたくさんあれば解決するようなところもあると思います。京都も他の都市と同様に、経費削減のためにゴミ箱がずいぶん撤去されました。
海外からの観光客によると「日本は外で(路上で)お酒を飲んでもいいのが最高だ! でも、ゴミ箱がないのがつらい」と言っている人達が結構な割合でいます。それぐらい、ゴミ箱がないのです。観光都市の京都ですらこうですからね……
この写真のように、ちょっとだけでもまとめようという気がある人達もいたりします。彼らはきっとゴミ箱があればきちんと捨てているんじゃないでしょうか。
というより、いつも同じ場所にゴミが散らかっているということは、一カ所にゴミをまとめる気持ちだけはあるけれども、何も対策をしていないためカラスなどに荒らされたりして散らかっているという面もあると思うので、ゴミ箱があればここまで川が荒れないと思うのです。捨てる人(とくにタバコのポイ捨てはまとまらずにランダムに捨てられているものが多い)はポイ捨てするとは思いますが……
あとはお酒の瓶などが集まっているけれども、だんだんと四条大橋付近ではマクドナルドゴミ、三条大橋付近では松屋ゴミが増えている。これは飲食店に行ったあとの二次会的な利用で鴨川に集まって飲み食いしているというよりは、最初から鴨川で飲み食いをするために集まっているのではないでしょうか。今はお酒も提供されませんし、持ち帰りだと消費税分お安くなりますし。という分析などもしました。
いずれにせよ、気持ちはわからなくもないけれども、せめてゴミを持ち帰って欲しい。カラスとかは意外とゴミを巻き散らかす力に長けているので、各ゴミ捨て場にカラス対策がある意味を考えて欲しい。みたいなことまでnews zeroの取材時では話していたんですが、尺の都合でお酒飲んで夜通し遊んでいる集団がいるようだ、という部分のみが放送されたというわけです。
●四条大橋のゴミは減少傾向にあった?
ここからはおまけで。最近の鴨川の、四条大橋側のゴミをもう少しだけ詳しく見ていきましょう。
Yahoo!で大きく話題になり、Twitterのトレンドで「鴨川のゴミ」が入るぐらいになりました。
これは5月10日に撮影されたものですね。
そのあとの5月15日から、ある程度改善の兆しが見えたような見えていないような形になっておりました。
箱ワインまで出して階段で盛大に飲み会を行い(隣が交番なのに)、さらにはそのワインを残すということをやっています。
これのどこが改善の兆しかと思われたかも知れませんが、この日に四条大橋の階段と三条大橋のゴミが集まる場所に「ポイ捨て禁止」の看板が立てられたのです!
初日はこのように四条大橋階段では全く効果がなかったのですが、翌日からゴミが減ります。
今までの四条大橋で荒れていた写真(前述の京都新聞の写真とか)をよく見ていただくと、四条大橋の階段の折り返しのところのくぼみがゴミ捨て場になっていた場所があります。カラスよけの緑の網がかぶさっていたのですが、どうやらその上にたくさんゴミを捨てていく人達がいて、それは網の上から捨てているため無防備でありカラスが引っ張り出して荒らすということをやっていました。
その2の写真は、そのゴミ捨て場を完全に撤去して、ポイ捨て禁止のロープを張っているところです。これが5月15日から行われたことですね。
まあ、階段の下はこういう状態なのであれなんですが、少なくとも階段の上の方でゴミが放置されるというのはグッと減りました。
もちろん同じく5月15日から三条大橋でもポイ捨て禁止の看板が立てられているのですが、こちらはなかなか効力を発揮できていません。
そのまま5月21日の大雨になり、土手は立入禁止。四条大橋の階段はその後もゴミがない日が続くのですが、三条大橋付近はゴミが捨てられ続けます。
「ポイ捨て禁止」の看板が横にずらされ、ゴミが散乱しているのがわかります。
とりあえずは、現在は四条大橋階段のみはポイ捨て禁止の効果があり、それ以外の場所(階段下や四条大橋の下を含む)では効果がないと言えそうです。
●今後の展望?
5月25日の早朝に四条大橋を見たら、重機が入って流木などを撤去を進めていて、土手はやや綺麗になっていました。おそらくは近日中に立入禁止が解かれて土手に大手を振っては入れることになると思われます。
そうなるとまたゴミが増えるのか。そもそも緊急事態宣言が明けたらゴミが増えるのか。それともお店が再開したら鴨川に出る人が減ってゴミも結果として減るのか。この辺をまだもうちょっと見てみたいなと思いつつ、緊急事態宣言が来月20日まで延期されそうでどうしたものか悩んでいます。どうしましょうね本当に……