2021/5/3放送の日本テレビ系『news zero』で取材されてリモートな出演をしました。
「お酒飲みすぎでニュース沙汰に?」「お酒ばかり飲んでいるから……」「醤油を飲み過ぎて倒れた?」とお思いの方もいるかもしれません。そのどれでもなく、今回は「鴨川定点観測をしている人」として取材されたという流れです。
ちなみに、ねとらぼさんにも取材されております。こっちの告知忘れてた……
ようするに、緊急事態宣言下で飲食店が閉まっている20時以降に鴨川で飲んでいる人達がいるというのは本当かどうかを観察し、記録に取っていることが取材されたのでした。
インタビューは30分ぐらいに渡って行われたし、動画を撮ってきてくださいお願いしますと言われたので動画レポートみたいなこともしたんですが、出番はほんのちょっとだけでした。というわけで今回はその辺の裏話……ではないんですが、鴨川定点観測についてのお話をちょっとしたいと思います。
●そもそもなんで定点観測を始めたの?
京都の鴨川といえば、岡崎体育さんの歌にもあるように、等間隔に並ぶカップルで有名な場所です。その鴨川で飲んでいる人達が増えているというニュースが、2月に流れてきたのでした。
夜の京都・鴨川で2次会流行 飲食店時短「飲み足りない」、市は「感染の危険高い」|医療・コロナ|地域のニュース|京都新聞
時短営業によってお店が20時までしか営業していない。じゃあ鴨川で飲めば3密のうちの1つは外だし回避できる。と考えたのか、若者が集まって飲んでいる、ステイホームをしていないというニュースですね。
いやいやさすがにそれはないだろう、レッテルを貼るためにやっているのではと思ったのですが、実際に見ないで批判するのも良くないと思い、実際に鴨川へ見に行ったのです。そのときの写真がこちら。
はい、多いです。真冬なのにこんなにもいるなんて……と、衝撃を受けたのでした。
その後、京都市はまん延防止等重点措置の対象都市になり、さらには緊急事態宣言も出そうだと。それで4月22日に見に行ってみると、前よりも多い!
さらに4月24日、緊急事態宣言の前日に行くと、これがもうびっくりするほどさらに人出が増えていたわけです。これが緊急事態宣言になるとどうなるのか。人の動きは緊急事態宣言で変わるのか。ということに興味を持ったので、定点観測をすることにしたのでした。
●実際の流れを見てみたい!
というわけで、緊急事態宣言の出る前日から5月3日までの写真を見てみましょう。どれも鴨川の四条大橋から、20時〜21時の間に撮影したものです。途中から斜めの構図が増えるのはそっちの方が奥まで人がいることがわかることに気づいたからです。
緊急事態宣言の前日ということと、土曜日ということもあり、相当な人が鴨川で飲んでいました。この写真がバズったりしたのがきっかけで取材をもろもろ受けるようになります。
緊急事態宣言が出たので、だいぶ人は少なかったです。
この日もそれほど多くはありません。また、京都府が外飲みする人達に注意する見回りを行うと発表していました。その影響もあるのかも?
でも見回りは18時ぐらいに行って、20時の飲食店が閉まったあとはやっていないらしいですね……
前日よりも少し増えた感があります。お酒を飲んでいるかどうかはちょっと遠目だとわかりませんでした。ですが、お酒は飲まれていたようです。
大雨の土砂降りで、さすがに誰もいないだろうと思ったのですが定点観測ということで行ってみました。確かに土手にはいなかったのですが、念のために橋の下に行くとそこにはカップルが!
前日から雨で、さらにこの日も19時ぐらいまでは雨が降っていたはずなのになんだかんだでグループが複数いるという。でも距離が離れているからいいのかなー。橋の下にもグループがいました。
さすが金曜日。人が増えています。この日は19時ぐらいに通り雨があったのですが、それでもたくさんいました。
夕方に雷雨があったにも関わらずかなりの人が。さすが土曜日です。ちなみになんですが、この日ぐらいから三条大橋のあたりで歌って踊って飲んで大騒ぎをするグループが見受けられました。
小雨がパラパラと降ってきていたんですが、そこそこの人数がいました。この写真を見ても、奥の方に人がいて手前側よりも間隔が狭い感じなのがわかると思います。この日も三条大橋のあたりで音楽をかけながら踊って飲んでいる人達が……
この日もかなり多かったです。日中から天気が良かったからでしょうか。三条大橋のあたりで音楽をかけている人達もいました。
●路上飲みが増えるとどうなるのか
路上というか土手で飲んでいる人達が増えれば増えるほど何が起きるのでしょうか。もちろんコロナのリスクが高まるというのはあるのですが、直近で目に見えるところではゴミが増える、です。
25日の朝(つまり24日の夜に捨てられたもの)から、早朝にも鴨川を散歩して、ゴミを記録することにしてみました。当たり前なんですが、前日に人が多いとゴミの量も増えます。
写真では2枚ずつぐらい載せていますが、多い日だとゴミの写真が100枚を超える日があったりしています。あと、あえて載せていないんですが、たばこの吸い殻ポイ捨ては毎日たくさんあります。
橋の下にもゴミがあるし、土手にもゴミがたくさん。お酒の缶や瓶だけでなく、何かしら食べた跡もたくさんありました。
さすがに人が少なかったのと、飲食をしている人が少なかったのか、ポイ捨てというよりは風で飛んできたようなゴミがほとんどでした。
あらびきスライスサラミの袋が……
この日は目立ったゴミがこれぐらいでした(あとは吸い殻等)
遠目ではお酒飲んでいるかわからなかったものの、いざ朝見てみるとビールの缶などがあり、お酒を飲んでいたことがわかります。また、風のせいか土手と川の境目ぎりぎりにゴミがたまっているのも見られました。
大雨で人がいなかったのでないかなーと思ったのですが、橋の下のカップルがいたところではなく、誰もいないように見えたところにフォークが。風で飛んできたのでしょうか。
ゴミをまとめればいいというもんではないとは思うものの、まとまっているのはいいですよね。あともう1ステップ、持ち帰るところまでやってもらえればと思います。
もちろんそれ以外の場所にたくさんゴミはあるし、お酒の缶や瓶、お茶などのソフトドリンクのペットボトルなどもありました。
ちなみに四条大橋の近くにはマクドナルドがあるので、特に橋の近辺はマクドナルドでテイクアウトしてきたゴミもかなりの頻度で見かけます。
ダンボールはお尻に敷いていたのでしょう。通り雨がありましたし。でもまあ、そのままにしないでもともとあった場所に返すとか、処分するとかして欲しいものです。呪術廻戦グッズが泣いていますよ!
三条大橋のところで音楽や踊りの集まりが行われるようになるとどうなるか。それはこの瓶缶の山が物語っています。ちなみにこの近辺はワインの瓶が何本か割れていて、ガラスの破片がたくさん散らばっていました。犬の散歩させている人もいるのに……
川の中の写真はもうちょっと上流で撮ったものです。出町柳の方が近い感じですね。news zeroで採用された写真なので載せてみました。
三条大橋のところは1日から毎朝こんな感じになっております(執筆時点)
ちょっと無法地帯になっちゃっている感がありますよね……それに比例して、三条大橋近辺のゴミも増えてきている印象があります。
その1は四条大橋から土手へ降りる階段です。この隣が交番なんですが、ここ数日は毎日こんな感じです。階段に座って飲み食いしている人が増えたのかもしれません。
その2は三条大橋の松屋パーティーの跡。三条大橋の近くには松屋がありますので、そこでテイクアウトしてきたんでしょう。
そしていつもの場所はいつもの通りでした。
●記録をとって何をやりたいの?
誤解されると困るのですが、こういう記録を撮っているのは別に若者を糾弾したいとか、京都の人達の民度がどうとかを言いたいというわけではありません。実際のところ、これは全国の観光地や繁華街でいま起きていることだと思います。news zeroで放映されていた江ノ島の昼間も相当な人出で密と言える感じでしたが、それと比べてどうこうとか言いたいのではありません。
コロナ禍で緊急事態宣言中という中で、実際に人がどのように動くのかという好奇心から始めたのです。それが今は、どんな感じで人が動いていたかということを記録に撮りたいと思ったのでした。まあでも、ゴミは持ち帰って欲しいなーとは思います。
とりあえずは緊急事態宣言中は続けようと考えています。宣言が延長されたら……どうしましょう。まだ考えていません。
●データを無償で提供いたします
というわけで、もし本格的にコロナ禍におけるあれこれを研究している方がいましたら、データを無償で提供します。データといっても、基本的には人の出と、翌朝のゴミの写真と、それがどのあたりで捨てられていたかということを伝える感じですが。
冷やかしで欲しいという方はちょっとお断りさせていただいて。何かしら活用したいという方には提供いたします(どのように活用するかお聞きします)。それこそ卒論の足しにとか、夏休みの自由研究に使いたい小学生とかでもかまいません。メディアがニュースに用いたいというご依頼でも大丈夫です。お気軽にご連絡ください。
●蛇足
また、こちらは私事といいますか。京都に淡口醤油のためと観光したいために引っ越して6〜7年になるのですが、その「住んで頻繁に観光をしている観光客目線」で見たここ数年の京都に関する本を書きたいなーと考えて、実際にステイホーム中に書き進めております。鴨川定点観測をしているときに、何かせっかくだから記録にまとめたいなと思ったのでした。
インバウンドが始まる前、インバウンド中、インバウンド後、コロナ禍と常に観光していてなかなか貴重な体験をしているなと感じています。発表する媒体とかを考えずにある程度適当に書き進めているのですが、もし興味をお持ちの出版社さんや編集さんがおりましたら、あとはそこまでいかなくてもとりあえず企画書ができあがったら見せて欲しいという方の連絡もお待ちしております。