醤油手帖

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バタめししょうゆ

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バタめしという料理をご存じだろうか。

バタめしとはその名の通り、バターとご飯のことだ。だけど、いわゆるご飯をバターで炒めるバターライスでは無かったりする。そう、炊きたてのご飯にバターをのせて、そのままかき混ぜて食べるのが「バタめし」なのだ。

バタめしの作り方は実に簡単で、温かいご飯に、一かけらのバターをのせるだけだ。するとだんだんご飯の熱でバターが溶けてくるので、そこに醤油を適量加えて食べるのだ。ここに色々なトッピングを加えてもいい。鰹節なんかが非常によく合うのでオススメだ。

このバタめしによく合うように作られたのが、今回紹介する「バタめししょうゆ」になる。普通の醤油に本味醂と料理酒を加えてバターとよく合うように調整されている。普通の濃口醤油でバタめしを作るとどうしてもしょっぱくなりがちだが、この「バタめししょうゆ」を使うと非常にマイルドになるのだ。

実際に、単品で味わってみると塩気が少なめの、ちょっと味醂やお酒の甘さを感じる醤油になっている。塩気を少なく感じるのは、やはりバターに塩分が加わっているので、しょっぱくならないようにするために調整しているからと思われる。

ちなみにこの醤油は群馬の醤油メーカーの製品だが、バタめしは北海道でよく食べられている、つまりは群馬よりも北海道の方でメジャーな食べ方なんだそうだ。色々と調べてみたのだが、北方民族の間では、なかなか摂取できない脂肪分を十分に補給するためにバターライスを使っていたらしいので、その流れからきたのではないだろうか。そういえば、ジュール・ヴェルヌの小説で知って一時期すごく食べたかった「ペミカン」も、いろいろな物をバターで固めた保存食で極地に行く時に大活躍だったらしい(本当はバターで固めるのは正式のじゃないらしいけれども)。

もっとも、メーカーのページに「昭和の味」ともあるので、昭和の時代にはこのバタめしがメジャーだったのかもしれない。あちこち検索してみると、バタめしを親に怒られながら食べていたという記述も散見される。きっと昔は貴重なバターをご飯に直接のせて食べるのは贅沢な食べ方だったのだろう。

バタめし以外にもこの醤油はあれこれと使える。やはり、バターを使った炒め物との相性がいいようだ。エリンギのバター炒めにこの醤油とかを使うとかなり美味しかった。もちろん、エリンギ以外のものをバターで炒める時にも大活躍するだろう。

気になる入手方法だが、僕はたまたま旅行の途中で立ち寄った横川SAで購入した。なので、多分横川SAでは確実に手に入ると思う。残念ながら、他の店舗で実際に売っているところは見たことが無い。車に乗らないで手に入れる方法がきっとあるはずなので、知っている方がいたら是非教えていただきたい。


バタめししょうゆのメーカー
有田屋:上州安中 天然醸造醤油


ところでよくわからないながら、今週のお題に申し込んでみようと思うのだけど、これでいいのだろうか。
今週のお題「好きな調味料」


バタめししょうゆ150ml

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