醤油手帖

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大間マグロ醤油

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いま現在、最高のマグロを食べるとしたら何と言っても青森県は「大間産」のマグロではないだろうか。いわゆる「大間のマグロ」と言えば、最高峰のマグロの代名詞的存在だ。日本中の料亭とかが「大間のマグロ」こぞって買い求めると言っても過言ではないし、さらに最近ではお金持ちの中国人なども「大間のマグロ」を買い求めていたりするらしい。

その大間産のマグロの中骨を生醤油で煮込み、マグロエキスがたっぷり入っているのが今回紹介する「大間マグロ醤油」だ。

いわゆる出汁醤油に分類されるこの醤油。お味はというと、出汁醤油特有の塩味がきつくないまろやかさを持っているとともに、甘味を感じるものになっている。それもそのはず、成分の中に「清酒」「みりん」「昆布」「焼酎」「ハチミツ」が入っているのだ。しかも、これらのほとんどが青森産で統一されていたりする。ハチミツも青森県南部地方で採れたハチミツだし、清酒に至っては白神酒造の清酒(山廃)を使っているという、非常に贅沢な造りとなっている。

青森などの寒い地方でも、九州と同じく「甘いもの」が贅沢品となっていることが多いようだ。正確には温かいもの、甘いものが贅沢品らしい。そのため、他の地域の人が聞くとびっくりするような甘いものがあったりする。例えば甘納豆などを入れた甘いお赤飯や、甘い栗の甘露煮の入った茶碗蒸し、もしくは砂糖入りの茶碗蒸しなどだ。これらの食べ物が見られるのが北海道、青森、秋田だったりする。この大間マグロ醤油にみりんやハチミツなどを入れて甘い味わいにしているのも、そういった地方性が垣間見える部分なのかもしれない。

さらにこの醤油の特徴として、香りが非常に濃厚であるという点もあげられるだろう。なんとこの醤油に使われている生醤油は「吟醸六段仕込製造」という製法で作っている上に、マグロの中骨は桜チップで燻してから漬け込む念の入れようだ。ちなみに「吟醸六段仕込製造」は、麹を6回に分けて仕込み、さらには吟醸酒と同じような製法でじっくりと低温で熟成させることによって発酵の状態を細かく管理しながら作る製法の事だ。これにより、通常の醤油よりもさらに香り高い醤油を作っている。

そんな大間マグロ醤油。やはりというか何というか、お刺身に良く合う合う。さらにいうと、ちょっと甘めな味わいなので、白身よりは赤身の鮪なんかとの相性がいいと感じた。出汁の旨味が結構濃いので、ちょっと水で薄めて素麺の出汁に使ったり、出汁のベースにしてもいい味になるかもしれない。また、醸造元ページの感想で「焼き魚にかけた後の醤油の味がする」とあるので、焼き魚にかけて食べてみたい、できればマグロのカマをこの醤油で食べてみたいものだ。

そんな大間マグロ醤油をどこで買えるのか。店舗で見かけたことがほとんどないし、月に100本ほどしか製造していないらしいのでWeb通販に頼るのが一番だろう。醸造元の株式会社中村醸造元でも通販を行っているし、楽天でなら何社か扱っているところを見つけることができた。ただ、中村醸造元の社長さんのブログによると、銀座にオープンした目覚ましテレビの物産館である「銀座めざマルシェ」に中村醸造元の商品が並んでいるらしい。ひょっとしたら大間マグロ醤油もそこで手に入るかもしれない。これはなるべく早く確認しに行きたいところだ。

元祖「昆布しょうゆ」のカネカメ中村醸造元
銀座コーナーのお知らせです。 - 元祖「昆布しょうゆ」のカネカメなかむら社長ブログ


大間マグロ醤油

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