先日、自分にとっては最初で最後の万博に行ってきました。
もう万博も最終日ということで、これから行く人の参考にはまったくなりませんし、そもそも行動が偏りすぎている自覚はあるのですが、いろいろな人にあれこれ教わったりしたのと、せっかくなので記録に残しておこうというエントリです。
長くなるので目次をつけてみました。
- 基本スペック等と当日の持ち物
- 10:00〜11:00 会場到着
- 11:00〜12:00 入場してすぐインド
- 12:00〜13:00 バーラト館や宴パビリオン
- 13:00〜14:30 コモンズ館を断念してマレーシア館へ
- 14:30〜15:45 アメリカ映像と2億円のトイレとインドネシアのダンス
- 15:45〜16:30 インドのデザートで「至り」そうになって散歩
- 16:50〜17:30 リングを一周する
- 17:30〜18:00 最後にチェコのビールを飲めばすべて丸くおさまる
- 18:00〜20:15 コモンズ館とカンボジア館へ
- 20:15〜22:00 コモンズD館を途中退出して阿部寛へ
基本スペック等と当日の持ち物
どんな人がこういう楽しみ方をしたのかということがわからないと、単なる偏った記事になると思うので基本スペックや目的等を書いておきます。
- 調味料が大好き。世界の調味料はあれこれ見たい
- 世界の料理やお酒も好き。適当に食べたい
- インド映画が好きなのでインド関連を覗きたい
- 並ぶのは苦手だけれども歩くのは苦にならない
- 万博の細かい情報(予約とか何やら)はあまり調べていない
止まるのは苦手だけれども、歩くのは苦にならないタイプです。どれぐらいかというと、万博行ってくると言ったらお友達が「携帯椅子はあった方が良い。今から買いに行くのが難しければ貸しても良い」と言ってくれた結果、終電でお友達の家に行き、椅子を借りて0時過ぎから1時間以上かけて歩いて帰り、少し寝て万博に行って一日中歩いていても全然平気という感じです。こう書くとちょっと異常行動かもしれない。よい子は真似しないでください。
当日は携帯椅子、印刷した地図、飲み物のペットボトル(440mlのを2本)、ウェットティッシュ、晴雨兼用日傘などを持って行きました。本当は消毒用のアルコールを入れたアトマイザーを持って行きたかったんですが、酒類はアウトとあったので断念してウェットティッシュをたくさんに。いや、飲用のお酒のことだとは思うのですが、念のためというやつです。
なお、パビリオンの当日予約等は一切しませんでした。だって、興味のあるバーラト館やコモンズ館は予約なしでもいいと言われたので……
10:00〜11:00 会場到着
今回は2日前の入場者開放によって11:00からの西ゲート予約に成功したので、少し早めに行っておこうと10:14に夢洲駅に着きました。
そこで見たのが(トップ画像にある)阿部寛さんの広告!
これが噂の「親の顔より見た阿部寛」か!
そして夢洲駅のところに早くも国旗がたくさんあって、ちょっと興奮していました。国旗の間を通れるの、良いですよね。
ちなみに雨模様というか、小雨が降っていました。早速晴雨兼用日傘が大活躍!
西ゲートへの案内はかなりわかりやすく、また何人かそちらへ移動する方がいたのでその人達についていくことにしました。面白かったのは、ミャクミャク様をたくさん身につけている人ほど背中に丸いものを背負っていたこと。ベテランほど携帯椅子(丸いやつ)を持ち込んでいるというのは本当だったんだ!
西ゲートの待機列に到着したのは10:43。だいたい30分ほどかかりました。
11時予約組はここに並んでくださいという指示が最初は見当たらなかったのですが、進んでいくとこれでもかと掲示してあったのでスムーズに並ぶことができました。そして手荷物検査行列に。
行列に並んでいる最中は持ってきた飲み物が大活躍しました。万博内はそこかしこに水を汲めたり自販機があるけれども、最初の行列のときだけは飲み物を持って行くといいよとアドバイスを受けていたのです。助かった!
11:00〜12:00 入場してすぐインド
手荷物検査が終わって入れたのは11:09。だいたい30分弱かかりました。
入ってすぐ、何をしようかなとキョロキョロしながら歩いていたら、地図を売っているところを発見。Xで地図を買うとミャクミャク様ボトルがもらえると見かけていたのはこれなのかと思い購入。日本語版地図は印刷して持っていたので、英語版を購入してみました。
そこからリングの方に歩き始めると、何やら耳なじみの良い、聞き慣れたリズムな音楽が。ふらふらとそちらに近づくとリングの手前のポップアップステージでインドのダンスが繰り広げられているじゃありませんか。なんでもインド文化省の文化ショーだったらしいです。
10:15から11:40までの長丁場でやってくれていたようなんですが、到着時刻の関係で実際に見られたのは11:20からでした。でも11:55までやってくれていたのでその間はずっとショーを見ていました。
文化ショー、いいですね!
これだけで万博に来たかいがあった!!
単なるショーではなく、あくまで文化ショーなので、説明が入るのもすごく良かったです。しかも、あくまでこれは見ていた範囲なんですが、北部に偏ったり南部に偏ったりせずまんべんなくやってくれていました。
たとえば次の写真は、北部はマニプール州の楽器、プンチョラムという太鼓のパフォーマンスです。
この両側を叩く太鼓を、踊りながら叩きまくる叩きまくる。
両面な太鼓は『響け! 情熱のムリダンガム(もしくは、世界はリズムで満ちている)』という映画でもおなじみのムリダンガムは知っていたんですが、ムリダンガムは南部の楽器です。でもこのプンチョラムは北部の楽器。別ルートなのかなあ。
もともとマニプール州はミャンマーの文化が色濃く残っている土地なので、そっち方面の楽器なのかも? とか考えながら見ていました。
(ちなみにマニプール州の州都はインパールです。そう、インパール作戦のインパールなのです)
そしてパフォーマンスもまあすごくて。リズミカルに叩きながら踊るんですが、くるくる回転するのはもとより、側転……どころじゃなく、側宙でぐるぐる回りながらもずっと叩くのをやめずに正確なリズムを刻み続けるなど、めちゃめちゃすごかった! 歓声があがっていました。
他にも、南部のタミル・ナードゥ州の伝統的な踊り、ティラーナの紹介が。
このティラーナは手話というか、ハンドサインというか、手にすごくたくさんの意味を込めるムドラーという動きがあるのですが、一部を教えてもらってから見ることができました。
そして、タミル・ナードゥ州のティラーナという言葉からは、インド映画ファンは当然のように想起されるものがあります。
タミル・ナードゥ州の、つまりはタミル語圏のスーパースター、ラジニカーント様主演の『ムトゥ 踊るマハラジャ』には、その名もずばり「ティラーナティラーナ」という曲があるのです!!
そう、日本でも公開され、日本におけるインド映画ブームを最初につくった映画、『ムトゥ 踊るマハラジャ』ですよ! その中でも、インド映画は豪華絢爛に歌って踊るということを日本中に植え付けたムトゥを象徴する名曲、ティラーナティラーナの、ティラーナって伝統的な踊りの名前だったんだ!
帰宅後に真っ先にムトゥを見たんですが、なるほど、一部の動きとか取り入れられているかも! と感動していました。
あとはグジャラート州の踊り。ユネスコの世界無形文化遺産にも選ばれたガルバ……なのかな。グジャラート州の踊りとだけ記憶をしていて、よくわからなかったです。でも多分、ガルバかな。ドゥルガー神をたたえる棒(たぶんダンディヤ)を持って踊っていました。
……というぐらいインド文化について堪能していたら12時に。
近くにあったガンダムの写真を撮って、ようやくリングに入ります。
12:00〜13:00 バーラト館や宴パビリオン
インド文化省の皆様も「リングを出て左に我々のバーラト館があります!」とおっしゃっていたので、その通りに移動するとありました。バーラト館が。
というわけで早速突入。ほとんど並ばずに入ることができました。が、人の流れ的に、入ったすぐあとにいったん締め切られて、少し時間が経ってからまた開放される、を繰り返していたみたいです。
入ってすぐにある巨大モニターでの映像2つがまあすごい!
インドの景色だったり、さまざまな神殿のワイヤー図などが展開されていて、これがまあ楽しいの何のって。
「お、太陽神スーリヤの神殿だ! あー、ここはこういう……まってまって、画面切り替わらないで!」「ガネーシャの神殿はこう……あーー切り替わりーー」「シヴァ神だ! 神殿もすごいなあああああ切り替わりが!」
と、一人で騒ぎながら入り口からほとんど動かず映像を見続けていました。
その後ろを当然のように人がどんどん通り過ぎていくんですが、そこに波があったのでときどき制限していたんじゃないかな、と推測していたりしたわけです。一気に通って、しばらく誰も通らず、また一気に通るを繰り返していたのですね。
あと面白かったのは、入り口の展示に、さりげに日本に関係するものの展示があって。銀座マハラジャというお店(もう閉店した)のオーナー(故人)が寄贈したクジャクや水差しなども展示されていましたし、永六輔さんの絵までありました。日印友好!
そしてそのほかの展示は……
ちょっと、正直、やる気が少なくなかったですか。サンドアートをコンピューター制御して自動で作ったりするのとかは面白かったんですが、展示の量がちょっと少ないなあと。
橋などの建築物もインドはすごいぜ! あと、月着陸船(無人探査機)だって作っちゃう! というコーナーでは、鉱物の展示のところでロープが張られていて月着陸船について詳しく見られないという。
各展示にはQRコードがあって、詳細はこちらも見て! ってなっていたんですが、月着陸船のQRとかはどうやっても見えないというか、届かないところにありました。見せてくださいよ!!
まあでも、入口のところはすごかったし、一人で細かいところをわーわー興奮しながら写真を撮りまくっていたので、全体的に楽しめていないかというと、めちゃめちゃ楽しんでおりました。
つまり、展示の量が少ないと感じたのは、こちらの見たいものが多すぎたためという可能性が高いです。
お土産コーナーでは、もしあったらサマハンを補充しようかなーと思ったんですが、すごい人でちょっと探すのを断念。
また、料理のテイクアウトは、ビリヤニも食べたかったんだけれどもどこで食べればいいかわからなかった(ベンチとか座れるところがどれぐらいあるのかよくわかっていなかった)ので、シークケバブという羊肉だけを購入。
入口というか出口のところには手を合わせる像が。ナマステーってやるときの手ですね。
ここの説明には「このナマステのときのジェスチャーは、アンジャリムドラーというもので、敬意を表すものです」とあって、さっきインド文化省の方もティラーナのところで手の動きはムドラーって言ってた! と、一人よくわからない興奮をしていたりもしました。
あ、そうそう。ちょうどバーラト館でずーっとうろうろしているときに、お友達から「むむさんも今日万博に来ているんですね! いまどちらに?」と連絡が。「インドです!」「ブレない答えが!」なんて会話をしたりしていました。
そうして、12:40ぐらいにシークケバブを持ったままバーラト館を出て、どこで食べようと悩むことに。とりあえずリング下へ行ってよく見ると、たむろしている人達はパビリオンの入場待ち行列だけじゃなくて、普通に休憩している人達もたくさんいることに気づいたのです。ベンチも意外とあるけれども、自前の椅子に座っている人もたくさんいる。
あーーー! そうか! 携帯椅子はここで使えばいいんだ!!
なんかこう、柱にもたれかかって座っていると、いかにもイベントで疲れてぐったりしている人に見えたりするけれども、そこがビニールシートの上だったり携帯椅子だったりすると、途端に「こやつ、イベント慣れしておる」といわんばかりのベテラン感が出る。そう気づいたわけです。
というわけで椅子を展開し、シークケバブをもぐもぐと。これだったらビリヤニ買っても食べられたなあと思ったりしていました。
食べ終わって少しリング下を歩いていると、ここにゴミ捨て場やら、自販機やら、出店もたくさんあるんですね。なるほど、これは困ったらリング下に来ればいいとしているんですね。便利!
シンカンセンカタイアイスミャクミャク様ラベルとかあって、JR西日本の公式ストアでシンカンセンカタイアイスって言っちゃっているんだ、でももともとはシンカンセンスゴイカタイアイスじゃないのかなとも思いつつ、ふらふらしているとリングの外側に例の石の休憩所を発見。これかー!
するとそばには「宴」パビリオンがあり、これはまさに万博の守護神である阿部寛さんが宣伝している象印のおいしいご飯なおにぎりが食べられるところじゃないかと。というわけで行ってみると、ほぼ並ばずに入れました。
2Fのあれこれやワークショップ的なものにも参加したかったんですが、とりあえずおにぎりを食べたかったので1Fに行くと白鶴ショップを発見。しかも、白鶴ブラン(という、低アルコールでフルーティーな日本酒があるんです)をフローズンにしてくれる、と! 早速購入。
白鶴の人と白鶴トークを楽しんだ後に、象印のところに行ったら「すみません。混雑緩和のために制限していて並べないんです」と言われておにぎりを断念。
もしかしたら人が殺到しすぎてお米を炊くのが間に合っていないための制限かも、なら待つと果てしなくなりそう自分をなぐさめつつ、その隣のお店ですき焼き風味フランクフルトを買いました。
そしてお店を出てまた椅子を出してリングの下で座って食べる。
いいですねこのサイクル。
そして食べた後にはしっかりとあらためて石を見に行ったのでした。この時点でだいたい13時過ぎぐらいです。
13:00〜14:30 コモンズ館を断念してマレーシア館へ
小腹が満ちて石も見ることができたので、コモンズ館へ行こうと決意。そこから一番近かったコモンズBに行くと「入場制限をしております。並べません!」の案内が。
じゃあ当然……? と向かいにあるコモンズCへ行くとここも並べません。
無念。
それなら本格的に食べるものを探そうと思ってふらふら歩くとスシローを発見。なんか噂に聞いたことがある! 並んでみようかなと近づくと、すでに整理券配布が終わっているという張り紙が。
なるほど、手強い。
そういうときは河岸を変えるのがいいよねと、リングの上に行って移動することにしました。いやー、リングの上もいいですね。内周側で各パビリオンの外装を見ながらふらふら歩いていたんですが、これだけでも楽しい。
ウズベキスタンのところの柱、こんな風になっているんだ!
半周ぐらいして降りてみて、周りを見ているとご飯の呼び込みをしているところを発見。そこがマレーシア館でした。
聞いてみるとパビリオンの中に入らずに、テイクアウト行列でご飯を買えるとのことだったのでそこに早速並ぶことに。これが13:45ぐらいでした。
並んでいる最中に、マレーシア館の前で音楽と舞踊のパフォーマンスがあったりしてめちゃめちゃ見たかったけれども、冒頭の挨拶しか見ることができず、店内で並ぶフェイズになって見られなくなってしまったのでした。残念。
並んでいて、ロティーチャナイとアイステータレを購入。
ロティはあれなんですよ。映画『RRR』でおなじみの「ナートゥ」にも歌われている、インドでも食べられているパンなんですよ!
えっ、出てきたっけ? と思った方。
ある意味正しいです。日本語字幕には登場しません。
正確には日本語訳では「あるいは唐辛子入りの雑穀パン」と訳されているところです。この公式の日本語字幕入りの冒頭部分にも入っていますね(21秒ぐらいのところ)
この部分、実はヒンディー語版英語字幕で見ると、「Till the land, make a big roti, eat chillies and dance like this!」(大地まで広がる大きなロティをつくり、唐辛子を食べて踊ろう!)となっているんです。そう、ロティが出てくるんです!!
そのロティを作っているところを、マレーシアからきたパフォーマーが実演してくれて、できたてを食べられるなんて!!!
生地をくるくるーって回しながら広げていって、パパッて折りたたみ、フライパンの上に次々とのせていく。
もう、最高ですね。かっこいい!!
並ぶのが全く苦にならなかったです。
そうしてロティーチャナイとアイステータレを手に入れたのが14:22ぐらい。まあ、30分ちょっと並んでいました。そして例によって携帯椅子を出し、ウェットティッシュを駆使しながら素手でむしゃむしゃと食べてマレーシアなんだけれどもRRRに思いをはせたりしていたのでした。
14:30〜15:45 アメリカ映像と2億円のトイレとインドネシアのダンス
食べ終わって周囲を見回すとそこにはアメリカ館が。
すでにアメリカ館に入っていた友達から、外の映像だけでもすごいですよと教わったので、中に入る行列には並ばなくても映像を見ようと、見える範囲のベンチに座り、傘をさしてずっと映像を見ることにしました。
こんな角度で見ていたんですが、それでもこれがまあ、すごい。
出てくる映像が確かに「アメリカ」なんですよ。
一度も行ったことがないのに「○○州」って言われたら、ああーそうそう、そうなんですよね。○○州といえばこの景色! って存在しない記憶が出てきちゃうぐらい「アメリカ」でした。たとえばワシントンDCと桜が同時に出てくる、みたいな映像が次から次へと展開されるんです。
さらにはNASAだったり、トランプ大統領まで出てくるという大盤振る舞い。
「アメリカはいま黄金時代を迎えています!」みたいなことを臆面も無く言うの、さすがトランプ大統領でした。これもまた「アメリカ」ですよね。
そうやって映像をひたすら堪能していたら、15時ぐらいにどうしてもトイレに行きたくなってしまったので2億円のトイレに行くことにしました。
たどり着くと、なんというか、導線がわかりにくすぎて、どこに並べばいいのかわからない……
あれはみんなすぐに理解できたんだろうか? とか思いつつ、なんとか用を足しまして。
そういえば、最初にバーラト館のテイクアウトを買おうとしたとき、デザートは15時から販売開始と言われていたので、それを買いに行こうとバーラト館方面へ戻ることにしました。
のんびりリングの下を歩いていると、何やら陽気な音楽が。
バーラト館のお隣のインドネシア館でダンスをやっていたのです。これは見なきゃ!
かなり見応えがあって、マハーバーラタをベースにした舞踊(ただし女性が演じている)とかがありました。あれですか。女体化というやつですか。日本のお家芸ではなかったんだ!
インドネシアは影絵人形芝居が盛んで、マハーバーラタを影絵にしたものとかもあるはずなんですが(インドネシア館に行くと見られるのかも?)、やっぱりみんなマハーバーラタ好きなんだなー
あと、壇上にあがってみんなでダンス! のコーナーは、後ろにいすぎて上がり損ねました。残念。踊りたかったなあ。もうちょっと前に人混みがなければあがれたのに。ダンスを見終わったのが15:45ぐらいでした。
15:45〜16:30 インドのデザートで「至り」そうになって散歩
バーラト館に再び戻ると、テイクアウトのみは利用できないので、また最初から見ることになりました。どんとこい!
あ、ちなみにバーラト館のバーラトは、マハーバーラタのバーラタと同じです。バラタ族を意味する言葉でして。インドのおおもとがバラタ族だから国名もバーラト、というわけですね。
最近、インドの首相のモディさんが、まあいわゆるヒンドゥー教原理主義者のような方でして、国際的な名称をインディア(英語)からバーラト(ヒンディー語)に変えようと2023年頃からしているわけです。インド館じゃなくてバーラト館になったのも、そのためですね。
再び展示を見ていると、一回目では閉まっていた部屋が開いていて、映像が流れているじゃないですか。もしかして、インド映画を上映するんですか!(本当にやる日もあるという話は知っていました)
喜び勇んで最前列のど真ん中に座ったものの、ガンディーさんをたたえる映像で、映画というわけじゃなかったです。残念。
もろもろを見終わった後に「ラスグッラ」と「チャムチャム」というデザートを買ってみたんですが、これが、うーーーーーんと、ちょっと、わたくしの口にはあいませんでした。
なんといいますか、こう、ボソボソとした食感のドーナツをシロップに漬け込んだというようなものでして。少しかじっただけで、シロップが口の中にジュワッとあふれて、口がシロップまみれになるというものだったんです。両方とも。
ひょっとして、形が違うだけで同じ味なのか……?
いや、最初の一口目でこう、認識をやられてしまって同じに感じているだけ……?
と思いながら食べていました。あまりの甘さで自分の許容量を超えていて味がわからなかったというのが多分本当なんでしょう。
あまりの甘さに、「至り」そうになって、しばらく休憩していました。最初は世界一甘いデザートである「グラブジャムン」を買おうとしていたんですが、こっちを買って良かった。いや、2パック買って4個は多すぎた。
ちょっとクラクラしていたし、胸焼けするしで、とにかく水を飲みながら散歩をしようと。そこで今までいっていない、南東方面のエリアに歩いて行くことにしたのでした。
南東方面エリアに中を突っ切っていくと、印象的な建物のパビリオンがこれまたたくさん。中国館の竹簡をモチーフにした外装、すごいですね。漢字もびっしり。文字好きにはたまらない展示とかたくさんありそう。
噂のトルクメニスタンを発見したのですぐに並ぼうとしたのですが、行列の途中と言われたところに「ここから2時間待ち」とあったので、これは全部で4時間ぐらいかかるなと断念。
じゃあ、とにかく運動をしてこのカロリーを消化しようということで、リングに上がることにしました。
16:50〜17:30 リングを一周する
リングを時計回りに行くと、海沿いのエリアとかの見晴らしが良いし、内側の景色も良いし。
ただ残念なことに雨が降っていたので、好天の中を鼻歌まじりに歩く、というわけにはいきませんでした。みんな傘がぶつからないように、滑らないように歩かなければならないという(子供が雨で滑って転んでみんなで助けに動いたりもしました)。
あれこれ見て、堪能しながら一周が終わったのが17:25頃。30分ちょっとで一周できるんですね。歩くペースが速いだけかもしれないんですが(一応、立ち止まって写真とかも結構撮っています)
17:30〜18:00 最後にチェコのビールを飲めばすべて丸くおさまる
一周したらだいぶ暗くなっていたので、もう一度トルクメニスタン館へ。
明るい!
このシーン、高速移動する人に両足を支えてもらって立つというシーンなんですが、思わず「バーフバリ……」とインド映画ごっこをしていました。
それはさておき、映像をずっと見て楽しんだ後、近くには何があるかと地図を見ると、チェコ館があるじゃないですか。そう、元祖ピルスナーでおなじみの、ウルケルを飲める野ですよ!
行列に、一度はレストラン側に並んでしまったので慌ててテイクアウトに並び直したりしていると、後ろのおばさま達が
「もうね、いろいろあっても、万博では最終的にチェコのビールを飲むと丸く収まるのよ」
とおっしゃっていたので、その通りです!!! と思いながら購入。
せっかくなんでミルコ注ぎという泡泡なのを飲み干しました。
写真撮るのに少し手間取ったので、底面に泡じゃない部分がありましたが、注ぎたてはもっと泡泡でした。これが17:50ぐらいです。
18:00〜20:15 コモンズ館とカンボジア館へ
そろそろコモンズ館も入れるのかもしれないと思い、ビールを飲み終わってから移動開始。
これがぬるぬるか!
いや、外から見るとよくわからないけれどもすごい、という感想になっちゃうなあ。このエリア、もうちょっと明るいときに来た方が良かったかもしれない。
そうやってあれこれ見ながらコモンズB館へ行くと、そのまま入っていいですよ、と。ついに入れた!
いやー、いいですね。コモンズB館。
国によってグラデーションがあるところも最高に良いです。
一生懸命に真面目に自国を宣伝しようとしている国。
特にアフリカ系に多かった、うちはこんなに素晴らしい国で税制も優遇しているので投資をばんばんしてくれという投資アピールしかしていない国。
そういうのが入り交じって、どの国もあれこれ持ってきてくれていて、いろいろと見せてくれるのはもう最高としか言いようがありません。
で、こう、国の展示とかを見るとですね、次から次へと脳内に今まで読んだりしてきたその国の情報が出てきたりして、答え合わせじゃないんですが展示と照らし合わせたりするわけですよ。
そうそう、象牙海岸ことコートジボアールはカカオ豆有名ですよね。日本はほとんどをガーナから輸入しているけれどもヨーロッパのチョコはほとんどがコートジボアール産って聞いたことが……って、なんだろうコーラナッツって。あ、でもまてよ、クラフトコーラで見たことがある気がするな……嗜好品なんだろうか。これをかじったりするとコーラの風味がすると面白いんだけれども。
みたいなことが、ひとつの展示を見たらずーっとぐるぐるとしているわけです。楽しい!!!
そんなことをやりながら堪能していたら、友達から次のパビリオン予約まで少し時間があるので合流しませんかという連絡が。
こちらはコモンズB館にいますーと言ったら来てくれたので無事に合流。ナウルを見たり、モーリタニアを見たりしていました。でもコモンズ館のあまりの楽しさで興奮してモーリタニアのところで「バッタ博士の前野ウルド浩太郎先生がバッタを追いかけていった国」「前野先生は緑の全身タイツを着て草に扮してバッタに食べられようとした」「あとモーリタニアは日本人がタコ漁を教えて巨大産業になっている」「日本のタコはほとんどが輸入でそのうち1/3はモーリタニア産だからたこ焼き大好きな大阪の人はもっとモーリタニア展に来るべきでは」「でも漁業が盛んとだけあってタコ漁の話が展示にないな……」とかずっと話していた気がします。ごめんなさい。
次のパビリオンに行く時間がきたお友達と別れたあとも、コモンズB館で展示を見まくっていると、時刻がいつの間にか19時を回っていました。
あれ、コモンズ館ってEまであるんじゃなかったっけ。このままじゃ間に合わない! と思い、泣く泣く残りを駆け足気味に見てからコモンズCへ。
コモンズCは……うーーーん、ちょっと好みに合わないところが多かったといいますか。
なんかヨーロッパ方面が多かったんですが、よくわからない抽象的なメッセージの映像だけで終わり、みたいなところがあったりしたんですよね。
たぶん、なんかこう、世界平和のためのあれこれ的なメッセージを込めてくださいって言われたんだろうなあと思うぐらい、そういう映像が多くて。なんか見てもその国のことが伝わらないものが多かったんですよね。知りたいのは未来に向けてのメッセージだけじゃなくて、今のその国がどういうところなのか、というところもあるので。
こちとら、その国の主要産業リストだけでご飯を何杯もおかわりできちゃう人種なので、映像だけでももちろんいいんですが、そういった資料や、できればレプリカでもいいので、立体が見たかったなあというわけです。もちろん、そういうところのは楽しみました。
ちょっとがっかりして出て、次はコモンズD館へ行こうと歩いていたら、道行く人がすいすい何も障害なく並ばずに入っているカンボジア館を発見。飛び込みました。これが19:50ぐらいかな。
カンボジア館はまた、すごい良い!
展示の説明がもうQRコードでWebに全振りなんですが、それはそれでいさぎよくて良し。ホールの中央にジャスミンライスの稲穂がびっしりあって、ジャスミンの香りに満ちているなかを、仏像などを見るという。
左右にはインド系の神様の像も多く、シヴァやガネーシャもそうだし、中央にはラーマーヤナのお面が飾られたりもしていました。みんな大好きラーマーヤナ!
ラーマーヤナはインド二大叙事詩のひとつで、ラーマ王子が恋人シータ王女を助けるために魔王ラーヴァナを倒しに行くというお話です。ハヌマーンもラーマ王子を助ける役として登場するんですが、右端にありますね。
ちなみに、ラーマーヤナが日本に伝わって桃太郎になった(桃太郎のお話の原型)という説もあります。
後良かったのがアンコールワットの模型!
それと、調味料大好きっ子的に注目をしていたのが、カンボジアの生胡椒の塩漬けなんです。
生胡椒を少し発酵させて塩漬けにしたものなのかな。辛すぎるわけでもなく、うま味があり、そのまま食べても料理にのせても良しという優れもの。
ちょうど万博に行く前に、お友達から紹介されて、これおいしい! となっていたのでした。万博で買えるよと言われたので楽しみにしていたら、おそらく売り切れで、「楽天で買ってネ!」という張り紙が。
これなのかな……?
本当はもうちょっと見たかったんですが、駆け足で見ないと時間がやばいということで泣く泣くカンボジア館を出てコモンズD館へ。なんとか20:15ぐらいに入ることができました。
20:15〜22:00 コモンズD館を途中退出して阿部寛へ
コモンズDは、これまた良い!
よくわからない映像が少なく(ないとは言わない)、展示がいっぱい!
ただ、時間がない!
こういう展示を普段なら食い入るように見るんですが、それが難しい時間帯になっていました。
なにせ「CLOSE 21:00」って書かれたパネルやらタブレットを持ったスタッフがいっぱいいるし。もうすぐ終わるよというプレッシャー。困った。
でもブルキナファソって最近もクーデターあったところじゃなかったでしたっけとか、資源が意外と少ないので農業が多いぐらいの知識しかなかったのでもっと知りたいしああああってなったりするわけです。そうかー言語が60あるのかーすごい!
そんな感じに時間がないとどうなるのか。それは、(批判する意味は全くなく)スタンプキッズによってこっちの展示を見る導線が遮られるのです。
スタンプラリーでとにかく最後のギリギリまで国のスタンプを集めようと駆け回るキッズ達とその親御さん達。その彼らによって、うおおおおこれは! 何これ、ゲーム?! ルールも提示してくれている! とか興奮している人と展示の間に並ばれてしまったりするんですね。
仕方ないからそういうときは、展示が見える隙間を探しつつ、その場で「CLOSE 21:00」と書かれたタブレットとかを持っているスタッフの方とかに、少し質問をしたりしていたのでした。時間がない中、うろんな質問に答えてくれてとてもありがたかったです。
でもコモンズDの半分ぐらいを見たあたりで残念ながら21時になったので、タイムアップと判断。無念の途中退出しました。
駅へは東ゲートから向かったんですが、これがまあすごい人で。
ゲートから出られたのは21:05〜10の間ぐらいだったんですが、そこからが長い長い。しかも雨が強くなったのでみんな傘を差したりするので、行列がややいびつになったりもしていました。
結局45分ぐらいかけて、21:50過ぎに夢洲駅に到着。阿部寛さんポスターに迎えられ、ほっと一息ついて電車に乗ると、そこにも見慣れた顔が。
電車の中にも阿部寛さんがいて、親の顔より見た阿部寛、万博は阿部寛に始まり阿部寛に終わるとはこういうことかとなったのでした。