醤油手帖

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1月27日(金)の白熱ライブビビットでの醤油の詳細と裏話っぽいものと

1月27日(金)に、TBS系の「白熱ライブビビット」に出演しました!

番組内のコーナーの「カトシゲのお取り寄せハウス」で醤油が特集され、あれこれ語ってきたというわけです。

というわけで、紹介された醤油の細かいお話をしていきましょう。

個々の醤油の写真は以下のリンクを見てね!

www.tbs.co.jp

吟醸純生しょうゆ

埼玉県の弓削多醤油さんのお醤油です。この枠は濃口醤油を紹介しようと思いました。濃口醤油は最も普及している醤油(シェア80%以上)なので、生半な醤油じゃインパクトに欠けます。

というわけで、いわゆる「生」の醤油である吟醸純生しょうゆに登場していただきました。番組中でも紹介した通り、一切火入れをしていません。牧場のしぼりたての牛乳のような、という表現がわかりやすいでしょうか。

最近では空気に触れないボトルでの販売もされていて扱いやすくなりました!

ちなみになんですが、番組中のナレーションでは「きじょうゆ」といわれていましたが、「なましょうゆ」が正しいです。

「生しょうゆ」を「きじょうゆ」と読むのは主に料理人の世界でして。醤油にミリンとかダシを入れていない、そのままの醤油という意味で使われるのが「きじょうゆ」という言葉です。

加熱殺菌をしていないという意味の「生」は「なま」と読んだりします。

ただちょーっと、誤解を与えてしまったなと思ったのが、火入れもろ過もしていないこの吟醸純生しょうゆのような搾りたての醤油の場合、「生揚げ」「生揚げ醤油」というんです。読み方は「きあげ」です。なので、そことごっちゃになってナレーション原稿が作られちゃったのなーもうちょっと詳細に伝えるべきだったなーと反省していたりします。

本造りしょうゆうすくち

うすくち醤油のカテゴリは、兵庫県の末廣醤油さんの醤油を選びました。

実は、本命(?)は同じ末廣醤油さんの醤油でも、「淡紫」という醤油だったりしました。ちょっとややこしいのですが、淡口醤油って基本的には料理の味付けに使ったりするものであるので、塩分が濃いんです。かなり。というわけで、お刺身につけたりするのにはむいていません。

でも、最近の食文化に合わせて、淡口醤油なんだけれどもつけ醤油やかけ醤油に使えるものを造ろうじゃないか。という試みをしている醤油蔵が登場したのです。そのうちのひとつがこの末廣醤油さんであり、その商品が淡紫なのですね。

醤油は豊富に旨味を含んでいる調味料です。そして、旨味は塩気を包み込む効果を持っています。旨味が強ければ強いほど、塩気を感じないのですね。舌に直接塩が当たるのを防ぐと考えるとわかりやすいでしょうか。

従来の淡口醤油は旨味はそれほど強くないのですが、淡紫は旨味を強くし、甘酒を使って甘味や香りをつけるといった工夫で、舌にそれほど刺激がこない醤油となったのです。だから、つけ醤油にもかけ醤油にも使えるのですね。

龍野「淡紫(うすむらさき)」100ml瓶 末廣醤油株式会社(醤油の町・兵庫県たつの市)/国産大豆・国産小麦100%使用の天然醸造のこいくち醤油・うすくち醤油

ちなみにこの醤油。

他局ではありますが、鉄腕DASH!!の昨年まで行われていた企画、「世界一おいしいラーメンは作れるか」内で使用された醤油でもあります。濃口醤油淡口醤油、魚醤をブレンドしていたのですが、そのうちの淡口醤油がこれだったのですね。このことを話したら、加藤シゲアキさんは「じゃあ太一くん(国分太一さん)は知っているかも!」と言っていました。

で、実はこの醤油も卵焼きをカトシゲさんが焼いた後に登場させて喋ったのですが、カットされていました(笑)

みのび

たまり醤油枠で紹介したのが、岐阜県の山川醸造さんの「みのび」です。

本当はたまり醤油の入門編として、同じ山川醸造さんのダシ入りたまり醤油「漆黒」を紹介しようと思ったのです。

だし入り醤油 漆黒 300ml - たまりや 山川醸造

この「漆黒」が僕は大変好きで好きで。

でも、コンセプト的にここでダシ入りのものを紹介するのもあれだし、ダシを入れる前の純粋なたまり醤油である「みのび」と味の対比をさせると面白いんじゃないか。と思って、みのびを選んだのでした。残念ながら漆黒は選ばれませんでした(笑)

みのびは大変においしいたまり醤油です。

でも、つけ醤油としてつけると、慣れていないとちょーっと濃すぎるかなという気がしなくもない。なので、まあ定番としてブリの照り焼きでいただいてもらいました。

そしたら料理を作っている先生がまー料理がうまくて。

カトシゲさんも井上アナも絶賛してもりもり食べていたという。残念ながら(?)僕は一口も食べていません。残念でした……

鶴醤

さいしこみ醤油枠として紹介したのが、香川県はヤマロク醤油さんの「鶴醤」です。まあ、さいしこみ醤油としては外せません。

さいしこみ醤油というのは、普通の醤油をまず造り、その醤油を塩水の変わりにして醤油をさらに造るという、大変に手間も材料もかかる醤油です。

この鶴醤はしかも、2年間(通常の醤油は1年間)かけて造り、それを使ってさらに2年間という、合計4年間かけて造られる大変に贅沢な醤油なのでした。

この醤油を選んだのはおいしいこともさることながら、「何か旬なネタが欲しい」という要望もあったことが挙げられます。ちょうど放送されている今時分に、ヤマロク醤油さんでは新しい桶造りをやっているからです。木桶復活プロジェクトという、自分達で木桶を造って醤油を造ろうというプロジェクトを進められているので、そちらのお話もできたらなと思ったのでした。残念ながら入りませんでしたが。

バニラアイスにかけているのは、もう、そのままです。

香りが合うというのもそうなのですが、ポイントなのは旨味が強いこと。旨味がしっかりとしているために、塩味を包み隠し、バニラアイスにかけたときでもそれほど塩気が先にこないのですね。

そのため、舌に刺激がこないで、バニラアイスと醤油の味わいがあわさり、あたかもみたらし団子のタレのような味わいになるというわけなのです。

一度是非おためしあれ!

燻ししょうゆ

最後に紹介していたのは、燻製醤油です。

これは、和歌山県の湯浅醤油で造られた醤油を、銀座とかにある「煙事」が燻製にして香りをつけたという燻製醤油になります。

醤油と燻製は相性がとてもいいんですよ。実に、お酒のつまみとかになるものが手軽にできあがります。

何につけても燻製の香りがふわっとする、それでいて瑞々しい食感を楽しむことができます。普通に燻製すると外側の水分が失われがちになるんですが、醤油をつけるのだったらそのままの食感で食べられるというわけですね。

なんか井上アナウンサーがめちゃめちゃ気に入っていて、「もうこのアロマが好きなのかもしれない」と言って、休憩時間中にもずーっと醤油の瓶を鼻の下に置いて、香りを嗅いでいました。持ち帰っていました。

 

というわけで、出番は15分ぐらいでしたが、出演してきました。

本当は場に並んでいる他の醤油についてもあれこれ語っていたのですが、尺の都合でなかったことになっているようです(笑) 残念だなー。

カトシゲさんは最初から「醤油のことについて興味があったんですよ! めちゃめちゃ楽しみにしていました!」とぐいぐいきて、休憩時間とかカメラが回っていないときもずーっと醤油のことについて質問をしてきたりしていました。さすが自炊派ジャニーズ。

なんでも、いろいろな機会に醤油をいただくことが多く、それで醤油に興味を持っていたそうなんです。

というわけで、放送が終了しました。見てくださった皆様ありがとうございました!

番組を見て醤油に興味を持ったという場合には、今回紹介した醤油が多く掲載されているこちらの同人誌か

COMIC ZIN 通信販売/商品詳細 醤油手帖 職人醤油のすべて

こちらの本を買っていただくといいかもしれません!

よろしくお願いします!

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