醤油手帖

お醤油について書いていきます。 料理漫画に関してはhttp://mumu.hatenablog.comへ。お仕事の依頼とかはkei.sugimuraあっとgmail.comまでお願いします

漫画版『白熱日本酒教室』裏話その3

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あと6時間ほどで、一回目の漫画版『白熱日本酒教室』が配信されます。

いやー、なんというか、緊張しますね。もう何もできないというか、原稿自体は納品されているので(当たり前)あとは待つことしかできないのですが。

繰り返しますが、ツイ4での連載です。

sai-zen-sen.jp

このサイトを見に行くよりは、Twitterで見た方がお手軽だと思います。

twi_yonのアカウントをフォローすれば、毎日18時30分には『白熱日本酒教室』がタイムラインに流れてくるのです! 他の漫画も面白いですよ!

twitter.com

昨日はこちらの告知が流れました。

はい、そうなんです。質問コーナーがあります!

これはどういうものかと言いますと、漫画版の白熱日本酒教室に、TwitterでMentionの形で質問を投げていただくと、それにお答えするというものです。

「@twi_yon 日本酒って美味しいの?」みたいな感じですね。

もちろん、質問をいただいてから1時間で原作を書いてそれを漫画にして……とできるわけじゃないので、どうしても時間はかかってしまいますし、漫画にできるページ数にも限界があるのですが、いただいた質問に対する答えを漫画にするという、双方向なインタラクティブシステムを考えてみました。

というのもですね。

一応、グルメ漫画専門に思われるかもしれませんが、漫画読みの端くれとして。媒体に合わせたギミックがある漫画って面白いなと思っていたわけですよ。たとえばスマートフォンで漫画を読む人が増えた結果、横に開いていくのではなく、縦にスクロールさせて読んでいく漫画が誕生したりしています。あれ、本当にすごいと思うんですよ。

そこでツイ4に掲載するにあたって、媒体の特徴は何なのかを考えてみました。形式は、四コマ漫画で1ページ固定。つまり、見開きとかは使えないし、縦スクロールさせていくのも使えない。コマ割りとかはそれほど特殊なものは使えないのではないかなと。

その代わり、配信方法がTwitterで毎日配信されることに注目をしてみました。配信されると、RTやいいねをする他に、Mentionの形で感想を書けたりします。感想が可視化されていて、すぐさま作者側や編集側に意見が届くのです。

他の媒体でもコメント欄はあったりしますが、1週間に1回とか1ヶ月に1回が基本で、さらにはそれらのコメントは、作者に届きますが作品に反映されたと読者側にわかることは少ないでしょう。

でも、この漫画は「教室」で「講義」を行うものです。だとしたら、話を読んでいて疑問に思うことがでてくるとも思います。そういったときの受け皿として、Q&Aコーナーを用意していくと面白いんじゃないかと考えたのです。ここのコーナーだけ、読者の皆様と作っていくコーナーみたいな感じですね。

毎日配信されているものですから、疑問が出たときにすぐにMentionで質問できるというのもポイントです。これはツイ4ならではの形にできるのではないかなと。

もちろん、繰り返しになりますが、全ての質問を漫画にすることは難しいと思います。質問がそれほどなかったらそのままどんどん漫画にしていくのですが、もしもたくさんきたら……単行本とかになった際にコーナーを作って文章で解説していくとかでしょうか。もしくは、このブログでとりあえず説明していくとかでもいいかもしれません。まあ、まだ連載が始まっていないのでこの辺は蓋を開けてみるまでわからないので、そのときに考えます。

質問は連載第一回から受け付けますので、掲載されましたら白熱日本酒教室のツイートに「@twi_yon」で質問をしてみてください!

そしてそして。

ひとつ、言い忘れていましたが、今日から始まるのはとりあえず30話分のお試し連載です。質問コーナーとかもありますが、本連載化しなければ、答えられるのは1つの質問ぐらいでしょう。

本連載になるには、毎話ごとの皆様の「RT」や「いいね」が必要かと!

読んでみて面白いなと思ったら「RT&いいね」を是非ともよろしくお願いします!

白熱日本酒教室 (星海社新書)

白熱日本酒教室 (星海社新書)

 

 

漫画版『白熱日本酒教室』裏話その2

1月16日から、つまり明日からツイ4で連載が開始される漫画版の『白熱日本酒教室』。

今回は、そもそもどういうきっかけでこの本が誕生したのかを少し思い出してみようと思います。

そもそもの始まりは、アザミユウコさんが作った『酩酊女子 〜日本酒酩酊ガールズ〜』という本でした。

 

酩酊女子 ~日本酒酩酊ガールズ~

酩酊女子 ~日本酒酩酊ガールズ~

 

この本は、お酒に酔った女の子ってかわいいよね。というところから、お酒とそのお酒を飲んでちょっと頬が紅潮している女の子のイラストと、そのショートストーリーで構成されているというもの。

この本に参画したのですが、そこでお酒の解説を入れたいという話になったのです。というのも、女の子とお酒のお話が中心になりますので、ストーリー中に急に「そもそも日本酒とは、〜〜〜で……」みたいなことを載せるわけにはいきません。じゃあ、別ページにしようではないかと。

そこで原作を作り、アザミさんに漫画にしてもらい、補足コラムを書くというページを用意しました。なぜ「むむ先生」が女の子かというと、初期に酩酊女子という女の子のイラストが中心の本に載ったのがきっかけということもあるのかもしれません。

ところが、もろもろの大人の事情で、お酒解説コラムページはそんなに用意できないことになりまして。

当初の予定よりも大幅に少ないページ数での収録となりました。

じゃあもう、同人誌で副読本を作っちゃおう! となったのです。

なので、当時のコミティアサークルカットを貼りますが、こんな文言がありました。

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今度こそありますとあるのは、あれです。

何回か間に合わなくて準備号を出したからです……

むむ先生と助手は、このときから何度も描かれていたのでした。

そうして何度かの延期の末にできあがったのが、こちらの同人誌です。

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タイトルに注目してみてください。

『酩酊女子presents むむ先生の白熱日本酒教室』

となっています。これは、酩酊女子の副読本として企画したからだったのですね。

ちなみにタイトルですが、何度かいろんな媒体でもお話しをしたことがありますが、オマージュです。

この同人誌を作成するときに、副読本とはいえ、日本酒の教科書みたいなものを作りたかったんです。

そこで、教科書のような、参考書っぽい名前は何かないかなーとみんなで考え続けていたのでした。

たまたまそのとき、息抜きに録画をしていた(確か当時の年末に一挙放送をやっていたのを録画した)サンデル先生のハーバード白熱教室を一気に見まして。そうしたら「白熱日本酒教室」という言葉が思い浮かんだのです。

すると、あら不思議。もうみんなこの言葉が頭から離れません。

「日本酒白熱教室だと、ちょっとまんますぎるからやっぱり白熱日本酒教室がいいよね」

「白熱のところをやかんの湯気のようにしてロゴを作るとかわいいかも!」

「むしろ雲のようにするべきでは」

と、文字通りこの名前をどうデザインするかの方向に議論が白熱し、もうこの名前にするしかない、となったのです。なので、オマージュなのです。

後に新書になるときに名前を変えようと思ったのですが、いろいろあった結果、編集者の方達も

「なんかもう白熱日本酒教室以外考えられなくなってきた」

「白熱日本酒教室、いい名前だよね」

となり、今日の形となったのでした。

白熱日本酒教室 (星海社新書)

白熱日本酒教室 (星海社新書)

 

 

漫画版『白熱日本酒教室』裏話その1

1月16日よりツイ4で漫画連載が始まる『白熱日本酒教室』。

実は、昨年末のコミックマーケットでこんなペーパーを配布していました。

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はい、予告チラシを配っていたのです!

一応、編集さんの許可は得ておりましたよ!

主にアザミさんのスペースで配っていたものを、うちのスペースでも配っていたのでした。なので、醤油のところに行ってお酢の本を手に入れたはずなのに日本酒の話のペーパーがついているという不思議な体験をした人もいると思います。こう書くと本当にうちのサークル、何をやっているんだという感じですね。

もし、行ったにもかかわらず受け取っていないよ! という人。ごめんなさい。たぶん、もう配り終わった後か、朦朧としていて渡しそびれたかのどちらかです。もしくは、僕が忘れたりしていて嘆いたりすることに業を煮やした売り子さん達が、途中から本に挟むということをやっていたので、まだ読み途中のお酢の本に挟まっているかもしれません。

でも、たいていは渡し忘れが原因です。特に、知っている人とかお友達と会話を交わせば交わすほど渡し忘れていました。受け取っていない人は、あなたのトーク力が優れていたからです! ということでご容赦くださればと。何か(会話)をすると何か(配布)を忘れるという、これがウワサに聞く等価交換というやつなのでしょうか。

それはさておき。

 

今回の連載を始めるに当たって、かなり悩みました。

というのも、いくつか考えなければならないことがあるからです。

ひとつは、新書版の『白熱日本酒教室』は、2014年に発売された本であるということ。

内容的には普遍的なものなので、古くなってしまったとは思っていません。でも、新しいことが生まれているのも確かです。そこをどう組み込んでいくかということ。

ふたつめは、新書版の内容は、難しいのではないかということ。

お酒の本なのである程度はお酒に興味のある人に向けて書いているため、省略している部分があると考えたのです。

ツイ4読者様の中にはお酒にあまり興味がない人もいるだろうし、未成年の方もいるでしょう。例えばそういう人達は、いきなり「いやー、日本酒って美味しいですよね!」と言われても、いや飲んだことないし……と、思って読むのを辞めてしまうかもしれません。でも、そういった人達にこそ読んでもらいたい。読んで、お酒に興味を持ってもらいたいのです。

なので、もう本当に初歩の初歩からお話をしていくべきだと思いました。そうでなければ真の意味での「入門書」にはなりません。

ある程度お酒を飲んでいる方にとっては「そんなこと知っているよ!」というところからスタートさせようと考えたのでした。できあがったものを見て、このアプローチは間違いではなかったと思っております。

どういう風になったのか。

それは、えーっと、そうですね。たぶん、16日の週の分を全部読んでいただければなんとなくわかるんじゃないかなあ……

あ、そんなこと知っているよ派にとっても楽しめるような工夫をしていますので、じゃあ最初の方は読まなくていいやとか思わずに是非読んでみてください!

白熱日本酒教室 (星海社新書)

白熱日本酒教室 (星海社新書)

 

 

『白熱日本酒教室』が漫画になります!

昨日情報が公開されました。

星海社新書で好評発売中の『白熱日本酒教室』が漫画になります!!

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掲載媒体は、星海社さんの四コマサイト『ツイ4』です。

読み方はカンタン。

Twitterでツイ4のアカウントをフォローしていると、来週の火曜日、1月16日の18:30から毎日18:30に漫画があなたのタイムラインへ流れてくるのです! 素敵!

公式告知のツイートをぺたりとしておくので、ここからフォローとかをするといいのではないかと!

原作は新書版の『白熱日本酒教室』ですが、だいぶ内容は変えています。新書版に比べて、さらに初歩の初歩から日本酒のお話をしていこうと思ったのですね。なので、新書版を読んでいる人でも楽しめるようになっております!

明日からも宣伝を兼ねて、こういう裏話とかももりもり告知していこうと思っていますので、皆様よろしくお願いいたします!!

 

白熱日本酒教室 (星海社新書)

白熱日本酒教室 (星海社新書)

 

 

C93に来てくださった皆様ありがとうございました!

もう成人の日まで過ぎてしまいましたが、ちょっとバタバタしていて御礼が遅れました。コミックマーケット93に来てくださった皆様ありがとうございました!

当日はこのポスターを目印に、たくさんの方にきていただきました。

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新刊の『酢の知識』はいかがだったでしょうか。

調味料シリーズは好評なんだか好評でないんだかちょっとわからなかったりするのですが、僕が個人的に調味料の勉強をするのが好きなので、もうちょっとだけ、具体的には「さ」「し」「す」「せ」「そ」が揃うまでは頑張りたいなーとも思っていたりします。

当日行けなかったよー。でも本が欲しいよーという方は、COMIC ZINさんで通販を開始されているみたいなのでよろしければこちらからどうぞ。

COMIC ZIN 通信販売/商品詳細 酢の知識 醤油手帖番外編

あれ、でも画像がないな……もう一度送ってみよう。

もう少ししたら感想アンケートフォームも作成予定です。

さて。今回の新作であり、目玉グッズとも言えたのが、醤福醤来根付。

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こんな感じに金の鈴、銀の鈴をつけて頒布いたしました。

正直に申しますと、ちょーっとお高いかな、と。小さいサイズなのにこの頒布価格は、なかなか手に取りにくいのではないかと。でも実は例によって例のごとく、やりすぎていまして。特殊な形にカット、印刷面をコーティング、根付け用のヒモ、パッケージング等々。鈴までつけたらあら不思議。頒布価格よりも原価が高くなった……?

まあそんなわけで、自分としてはもろもろを考えてギリギリの数を持っていき、さすがに15時ぐらいまでは売れ残るだろうと思っていたら、開始40分で完売してしまったというていたらく。

その後もスタッフのみんなや欲しくて足を伸ばしてきてくださった皆様に「もう売れちゃったんですか……」と言われてしまいました。大変申し訳ありません。

予定では、3月18日の関西めしけっと3に参加する予定なのでそのときに合わせてまた再版します。

関西めしけっと3 – 関西を中心とした飲食関連の同人誌即売です。

おいおい、関西じゃいけないよ。通販とかはないの? と思った方、申し訳ありません。通販にすると、たぶん1000円を軽く超えちゃうんですよね……関西めしけっとでも好評だったら次の夏コミに受かればまた持っていこうと思っていますので、そのときにお求めください。それともBOOTHとかに挑戦してみるのがいいのかなあ。

ちなみに、この根付。

醤福醤来なんて書いておいて、本当に効果あるの? と思う人も多いでしょう。

というわけで、ちょっとだけ根付けを握ってお祈りしながらあれこれした結果をぺたり。どうですかこの霊験あらたかっぷりは!

(※効能には個人差があります)

各種ゲーム、フレンドも募集中です。Twitterなどでお気軽に声をかけてください。なんちゃって。

それはさておき、あらためて、C93に来てくださった皆様ありがとうございました! 今後ともよろしくお願いいたします。

C93の「醤油をこぼすと染みになる」は「東5シ-40a」です!

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もう当日になってしまいましたが、C93の場所のおさらいを!

東5ホールの「シ-40a」です!!

東5ホールの入り口から入って、まーーーっすぐ突き当たって、ちょっと東6寄りの壁際におります。

柱的には「パ」の柱が目印です!

大きなポスター貼ってありますが、柱の影になっちゃ……わないかな。ならない気がしてきました。

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おしながきはこちらです!!

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酢のことをたっぷり学べる『酢の知識 醤油手帖番外編』についてはこちらのエントリも見てみてくださいね!
今日ようやく手元に届いたんですが、いいできです。全部読むと、遊び紙とかも、見る目が変わるかも……?

 

shouyutechou.hatenablog.com

醤福醤来根付は、鈴をつけます。金の鈴と銀の鈴にしてみました。

お求めの際には「金!」「銀!」とお好きな方をお声がけください。

「ゴールドマンがいい」「シルバーマンがいい」は僕にしか通用しません。「硬度10# ロンズデーライトパワーで」「アロガントスパーク一丁」とか言われても、僕にしか通用しないのです。

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鈴はカンタンに着け外しできます。

金属をつけたら、根付けの絵が擦れて剥がれちゃうのではと思うかもしれませんが、コーティングしてあるので大丈夫なのです。いやほんとすごい。コーティングバンザイ! ダイヤモンドパワー級でないとこのコーティングは打ち破れないのではないでしょうか。

iPhone7にケースを通じて無理矢理装着するとこんな感じです。

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かなりいい感じ!

というわけで、明日は皆様を

C93 東5ホール シ-40a 醤油をこぼすと染みになる

でお待ちしております!!

 

 

 

醤福醤来根付に鈴を付けます(C93当日のみ)&ちょっとした制作裏話

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ポスターできました! 当日はこちらを目印にしてみてください!

で、C93で頒布する新作グッズの「醤福醤来根付」。

shouyutechou.hatenablog.com

こちら、鈴があった方がかわいいよね? むしろ鈴をつけるべきでは!?

という話から、鈴付けサービスを実施することになりました。

鈴をつけるとこんな感じになります。

金と銀の鈴があります!

方法は、あれです。ガチャです。金の鈴か銀の鈴がついているので、自分でつけていただく方式になります。どっちが当たるかは、ガチャで!!

空いている時間帯だったら選べると思います。空いてそうだなと思ったら気軽にお申し付けください。気になる輩出率は、えーっと、金55%銀45%ぐらいかな?

という告知だけではあれなんで、誰が得するのか全くわからないちょっとした制作裏話をば。

基本的に醤油手帖シリーズ制作には三種の神器があります。

ですね。

制作の手順としては、まず台割(本の目次みたいなものです)を作り、写真素材をそろえ、文章を書き、組版していく、です。僕が台割を作り、写真素材を指定し、撮ってもらい、文章を書き、地獄のデストロイ子さんがそれらのデータを本の形に仕上げる、という工程です。

組版に使っているのがInDesign

これがなければ完成しないというぐらい、優れたツールです。

細々とした連絡に用いているのがSlackというチャットツール。文章を軽量でやりとりできるので重宝しています。

そして、書いたデータをInDesignを使って本の形にするのですが、ここでどうしても1文字単位で微調整が必要になったりします。そのときに、いちいちデータを保存して、Dropbox(あ、これも重要だ。じゃあ四種の神器?)でやり取りをして、確認してくださいというのはとても面倒です。その部分をスムーズにしてくれるのが、GYAZOというわけなのです。

たとえばの話なのですが

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こんな風にInDesignの画面がありまして、この微調整どうします? と、GYAZOを使って撮られたスクリーンショットのURLがSlackに貼られるのですね。それを見て、ここはこうしてくださいと指示を出しているのです。

そんな感じで微調整をとことんまでして、完成となります。

今回は、その工程のうち、文章を書く部分をInDesignではなくて別なツールを使おうと思いつきました。思いつくなという話なのですが。

というのも、InDesignはあまりにも高機能すぎて、うちの2012年MidのMacBookAirとかだと少し重いのです。複数の作業を同時進行だと、ちょっと厳しいのですね。写真をPhotoshopで見ながらInDesignを開くとかだと結構きつかったりします。まあ買い換えればいいっちゃいいんですが、新しいMacBookProのキーボードよりもこっちの方が自分にとっての感触が良いので、ギリギリまで粘ろうと。

で。

とりあえず縦書きのできるテキストエディタが欲しいなと思いました。というのも醤油手帖の手帖サイズ(新書サイズ)シリーズは、まんま新書です。横書きのテキストエディタでもいいんですが、最終的な文字調整とかをする手間を少しでも省くために、縦書きのエディタの方がいいわけです。

今までは横書きのテキストエディタで下書きを書き、InDesignで清書して提出もしくはInDesignで書いて提出だったのを、縦書き対応のテキストエディタでいけないかと考えたのですね。

最初に試したのは、今年出たばかりのエディタStoneです。

stone-type.jp

購入して、使って、これは普段使いにいいかもと思ったのですが、今回の醤油手帖シリーズには適さないことを思い知らされました。

というのも、縦書き画面があるのですが、こんな感じになります。

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一見すると完璧な画面に見えます。

でも、画面の上下に、このファイルがどういうファイルなのか、書式設定や検索をするためのスペースがあります。

これが、邪魔なのです。

もともと、2017年の日本では、縦書きで書くことを意識するよりも横書きでテキストを書く方が圧倒的に多いでしょう。なので、横書きモードでもこの上下のメニューがあって、スペースがあるのはわかります。

もちろん、横書きにおいては行数が多少制限されども、書いているときに邪魔にならないという意味では上下にメニューを置くのは正しいと思います。

が。

縦書きでもメニューが同じというのはどういうことなのかと。もろに1行の文字数に影響が出てしまうのです。前述の画像は、設定できる一番小さい文字サイズにして、1行あたりの文字をギリギリまで詰めて、フルスクリーンモードにしました。それで、1行あたり43文字です。

ところが、同人誌版の醤油手帖の1行の文字数は44文字。足りません。

完全に、書籍と行数を合わせて調整しながら書く用途には向いていないわけです。もちろん、機械を変えれば良かったんでしょうが、キーボードが生きている間はもうちょっと使いたいなーという気持ちがあったので、そこもうまくいきません。

結論としては、縦書きモードにするときはメニューは左右に分かれてくれて、その分のスペースを執筆に使えてこそ、Stoneのコンセプトである何にも邪魔されずに書く気分を高めることにつながるのではないかと。上下にメニューがあって、そこを動かせないようでは、縦書きできますよという部分はおまけっぽい扱いで残念でした。バージョンアップでここが解消されればまた使うことになるかもしれません。

次に使用したのが、Egwordです。

Mac専用日本語ワープロソフト“egword Universal” | 製品情報 | エルゴソフト

これは古くからMacを使っている人にはおなじみのソフトで、一度開発が終了したのですが、現在では物書き堂さんが開発を継続しています。正式版じゃないんですが、βバージョンのような形のものを使って、縦書きに挑戦してみました。

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見てくださいこの原稿用紙スタイル。

完璧だ! やったー!

と、思ったわけです。原稿用紙の書式設定で、本と同じにすれば、文字通りのWYSIWYGが実現できるとなったわけですね。

ところが、ちょっとした罠がありました。

こちらの画像を、前の画像とよく見比べてみてください。

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1ページ目と2ページ目の間を見てみてください。

変な空行が挿入されていますよね。

ページをまたぐ文章を入力した場合、原稿用紙の限界まで文字が入って次のページへいくものと考えますし、またそうであって欲しいのです。でも、禁則処理が変な風に働いて、空行がたくさんできたり、よくわからない挙動をするのです。まあ、β版だから仕方がないのですが……

というわけでEgword(β版)も使えないとなるのですが、逆に言えばここの部分をうまいことすればうまいこといって、問題がなくなるわけで。それだったらまあいいかという感じで、今回の本では146ページ分力業で書き上げました。

どうなったかは、是非実物を手に取って見てください!

そんなわけで何が言いたいかというと、InDesignはすごいねえ。でも、あと一歩なんとかなれば、縦書きエディタもいろいろといけるのではないかなーということです。Mac用でいい縦書きエディタがあれば教えてください。

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