「醤油をこぼすと染みになる」の夏のグッズといえば、そう、手ぬぐいです。今年もやります。醤油手ぬぐい2017を!
今年は「豆しぼり」に挑戦してみました。
というのも、豆しぼりというのは伝統的な水玉模様でして。お祭りのときなんかにつかわれることが多い柄です。
なんといっても、名前に「豆」と入っているじゃないですか。じゃあもうそれは半分ぐらいは醤油なのでは!? となるのも無理はありません。あります。すみません。
まあ、そんな冗談はさておいて。
一度豆しぼり柄に挑戦したかったのは事実なんです。でも、ただ豆しぼり柄にするだけじゃ面白くありません。現代の食卓にも使えるよう、横にロゴを入れてみました。
さらに、写真を見てうすうす気づいた方も多いと思います。
今回は一色ではなく、グラデーションなのです!
今回採用したのは醤油の色合いに近い、醤油色と言ってはばからない色です。実はこれぐらい醤油色した手ぬぐい、今まで作っていなかったんですよ。だからもうここで「豆」で「醤油色」でいくしかないな、と。
さらにはグラデーションをかけて、濃口から淡口まで楽しめるようになっているのですね。お好みの色合いを探してみてください。
探してみてくださいと言えば。
まあ、あれです。隠れキャラです。隠れていませんけれども。
あちこちに醤油っぽいあれやこれやが隠されていますので、こちらも是非探してみてください。
こういうのがあることからわかるように、厳密では豆しぼり(たくさん折った手ぬぐいを板で締めて上のところをばーって染めていく感じの特殊な技法)ではありません。ただ、これは注染で作られていて、しっかり染まっています。裏にもしっかり染み通っているのですね。いわゆるプリントな捺染とは違います。
いきなり染めの話をされてもわからないという人も多いでしょう。というわけで、いつもの質問コーナー!
Q. 使っていいの? 飾った方がいい?
A. 使いまくってください。実用性を重視して注染(ちゅうせん)という染め方で作りました。
Q. そもそも注染って何?
A. 注染とは、液体の染料を注ぎかけて作る染め方です。もし手ぬぐいをお持ちの方は、見てみてください。表面がきっちり染まっていて、裏面が染まっていない手ぬぐいの場合。それは手捺染と呼ばれる染め方です。
すごく簡単に言うと、注染は生地をたくさん重ねて染料を上から注いで作るつくりかたです。染料が浸潤していくので、表も裏も同じように染まります。その代わり細かい絵とかはとても苦手です。
一方の手捺染の場合、インクジェットプリンタみたいに布の表面に印刷するイメージを持つといいでしょう。
Q. え? じゃあ注染のいいところってどこなの?
A. 注染の場合、正確には生地に染料を注いで染めていきます。染料を浸潤させるこのやり方でやると、糸を傷めることなく、生地の目もつぶさないで染め上がるのですね。さらに、染まったところも液体の染料を使っているのでゴワゴワしなく、肌触りがとても良くなります。でも、染めにむらがあるというか、にじみがでちゃったりするので、1枚1枚が全く同じになるというわけではありません。
手捺染の場合は生地に印刷をするという作業のため、繊維がつぶれて吸水性に劣ったりします。肌触りも印刷部分がちょっとゴワゴワしちゃうのですね。その代わり、どんな柄でも印刷できますし、仕上がりは均一になります。注染の場合は色と色の間にどれぐらい隙間を空けなければならないとか、線の太さはどれぐらいにしなきゃいけないとかある(型を作るので)のですが、手捺染の場合はそれが無いんですよね。あと、あまり色落ちしないのもメリットです。してもちょっとです。注染は色落ちします。それとまあ、お安くてたくさん作れるのが最大のメリットです。
Q. じゃあ醤油手ぬぐいは使いまくった方がいい?
A. その通りです!
注染なので、使えば使うほど手触りはふわふわになり、色もなじんでいい具合になっていくと思います。まさに自分だけの「手ぬぐい」を育てることができるのです! もりもり使ってください。
Q. 洗うときはどうしたらいいの?
A. 基本的には水洗い推奨です。特に最初に使うときは水洗いをしてください。どうしても糸になじまなかった染料が落ちていい感じになります。
あと、もし丁寧に使っていただけるのであれば、基本的には洗剤やお湯を使わず、たっぷりの水で水洗いしてください。洗剤を使った場合、洗剤の漂白効果で急激に色落ちしてしまうことがあります。お湯も染料がよく落ちてしまう場合があります。
まあでも面倒だったら洗濯機でいいと思います。最初のうちだけは色落ちする可能性があるので、他の物とは別に洗ってください。
Q. なんか端っこがほつれてきたんだけどどうすればいいの?
A. 実はよくよく見てもらうと、手ぬぐいの端っこは切りっぱなしになっています。端を縫っていないのですね。これは、ここから水がぽたぽた落ちるようになっているため、汚れやほこりがたまらないのと、乾きを早くするための知恵だったりします。さらに、結んだり切って使ったりする場合にも扱いやすいのですね。はい、手ぬぐいはとことん実用本位なんです。
そのせいで端がほつれてきますが、あまり気にしないで大丈夫です。長く出た糸だけをはさみで切るようにすれば、そのうち落ち着いてほつれなくなります。
Q. あと何か質問が思い浮かんだらどうすればいいの?
A. こちらにコメントいただいたり、Twitterとかで聞いてください。わかる範囲で答えさせていただきます。
というわけで、柄から色から使い心地まで細部に至るまでこだわり抜いた『醤油手ぬぐい2017』。あまりにこだわりすぎてしまったため、今まで通りの頒布価格だと作れば作るだけ赤字になることが判明してしまいました。なので、今年は申し訳ないのですが頒布価格1500円にさせていただきます。
C92 13日(日)東2ホール A-51a「醤油をこぼすと染みになる」
にてお待ちしております!
東2ホールのトイレに行くついでに醤油を見る、を合い言葉にしてください!